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Q&A No.1 EDTAによる血小板凝集について教えてください。 2014.09.15

Q:EDTAによる血小板凝集について教えてください。

特定の患者様で、EDTE2Na採血に於いては、常に千単位まで凝集します。ヘパリンにても同様の結果です。当院にはほかに採血管が無いため、EDTA血をミキサーにて十分攪拌後すぐに測定していますが、なお凝集が見られ値はバラバラです。良い方法がありましたら教えて頂けると助かります。医師からは、疾患、薬が影響しているのですかと、問い合わせがきています。EDTAによる凝集は、そもそも何が原因で起こるのでしょうか。よろしくお願い致します。

       (経験年数10年 女性)

 

 

A:EDTA偽性血小板減少症は種々の疾患を有している人、抗菌薬投与患者、自己免疫疾患に多いといわれ、発生頻度は0.1%~0.2%といわれていますが、健常人にも認められます。

種々の疾患の内訳としては、腫瘍(32%)、感染症(18%)、血液疾患(10%)、循環系疾患(10%)、肝疾患(8%)、腎疾患(8%)、検診(6%)、その他(8%)であるとする報告があります。

機序としましては、EDTAが存在すると血小板表面の抗原(GPⅡb/Ⅲa)が変化し免疫グロブリンが反応し凝集を引き起こすと考えられていますが、不明な部分も多く、上記の通り原因疾患もはっきり解っていない現状なようです。

また、対処法としましては、私の知る範囲では

 

①プレーン採血管にて採血後、直ちに測定する。
②EDTA以外の採血管(ヘパリン、クエン酸)を使う。*凝集は起こりますが・・
③FC管使用
④カナマイシン10mg/ml投与
⑤過剰量EDTA追加投与 10mg/ml
⑥MgSO4による測定
⑦EDTA-2K血を2分~5分ボルテックスミキサーにかけて測定
⑧ブレッカー・クロンカイト法(1%シュウ酸NH4にて全血を希釈後、計算盤にて計数)

 

などが挙げられると思います。因みに、研究班員の施設では・・・

・順天堂大学付属浦安病院は⑧でやっているそうです。

・千葉県がんセンターは③で、それでも凝集ある場合は①

・千葉市立青葉病院は②の3種類採血での比較

・済生会習志野病院は②のEDTA・クエン酸使用で採血後直ちに測定

・亀田総合病院は②のクエン酸使用で、凝集有るようなら①

・船橋市立医療センターは②の3種類採血

で確認しています。また、採血後の30分後、60分後、120分後など経時的な変化も確認している施設もあるようです。

 

 

以下の文献が参考になるかと思います。

・阿部 有香:EDTA依存性血小板減少症の防止に向けた採血管変更(ED27管からFC管へ)に関する検討:医学検査61:367-367.2012

・土屋 直道:EDTA依存性血小板減少症に用いる抗凝固剤MgSO4・7水和物が多項目自動血球分析装置XE-2100に与える影響:日本臨床検査自動化学会会誌34(4):512-512.2009

・西郷 勝康:EDTA依存性血小板減少症の臨床と検査:臨床病理53(7):646-653.2005

                                                (船橋市立医療センター 福田 幸広)