第十一回
  第七の習慣「刃を研ぐ」
企 画 社団法人千葉県臨床検査技師会
協 力
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
HRDソリューションBU コヴィーグループ

自分を研き続けることの大切さ

毎年、人事部へ履歴書を提出しなければならなくなったとします。さて、採用してもらえるでしょうか?

今回は第七の習慣「刃を研ぐ」をご紹介します。この習慣は自己研鑽の習慣です。「刃を研ぐ」という表現は、あまり耳にしたことがない言葉だと思います。その所以はイソップ物語からきています。

 ある日の朝、旅人は山の中を歩いていました。奥深い森の中、汗を流しながら一生懸命に木を伐っているきこりを見かけました。そして夕方、同じ道を戻ってみると・・・、朝と同じ場所で、玉の汗をかきながら一生懸命木を伐り続けているきこりがいました。でも、あんまり作業は進んでいないようでした。旅人は足を止めてよくよく見ると、きこりが使っているノコギリの刃は、ボロボロでした。そこで、きこりに声をかけました。

 旅人:「きこりさん、精がでますなぁ。でもあんまり作業は進んでないみたいですね、一旦手を止めて、ノコギリの刃を研いだらどうですか?」

 きこり:「旅人さんよ、なに言ってるんだよ、刃を研ぐ時間なんておいらには無いんだよ、木を伐るのが忙しくてさ・・・。」


  私たちの日常はどうでしょうか?毎日毎日やるべきことに追われて、結果を出すことばかりに集中し、自分自身の切れ味を悪くしていないでしょうか?きこりの大切な武器であるノコギリと同じように、私たちの大切な武器は自分自身です。それが、ボロボロにはなってないでしょうか?
 ノコギリの切れ味を良くするためには、まんべんなく研ぐことが大切です。決して片方の刃だけ、先端だけあるいは手元だけを研ぐのではなく・・・。
私たち人間も同じです。まんべんなく研ぐ必要があります。(図)
1 肉体的側面
何をするにもまずは健康でなければ元気に活動できません。十分な睡眠をとる、栄養のバランスを考えた食事を摂る、適度な運動をするなど、肉体を維持増強することが大切です。
2 知的側面
世の中の変化が激しい今の時代、取り残されないように学び続けることが大切です。そして専門分野ばかりではなく、幅広い知識を身に付けることも大切です。
3 社会・情緒的側面
私たちは地域社会の一員でもあり、お互いに助け合い貢献し合うという責任も負っています。仕事に就く、ボランティアに参加することも社会性を養うための大切な活動です。
4 精神的側面
日々ストレスにさらされ、精神的な病を抱えている人も激増している現代社会です。ストレス耐性を高めたり、趣味の幅を広げたりするなど、積極的に心の安定を保つような工夫も必要です。

【筆者の事例】
 自分のミッションが何故かしっくりこない、何だろう、この違和感は!?と思った時がありました。5年前のお正月のことです。何か手をつけなきゃ・・・と、はたと考えました。その時「よし、第七の習慣の刃を研ぐ活動を具体的に始めよう!」と結論がでました。
肉体的側面・・・、“運動には縁が無い自分だけど、スポーツクラブの会員になろう。お金を払えば、通うだろう”、と安直な発想で、即行動しました。お正月三が日があけた4日の午前中、近所のスポーツクラブのカウンターに立ち、入会手続きを済ませました。その日の午後からエアロバイクやマシントレーニングを開始!今年は6年目になります。今でも週2回は通うようにガンバッテマス。毎月の会員費というのも、自分の背中を押してくれるイイ材料です。
知的側面、、、もともと心理学に興味を持ってました。学術的理論背景も学びたい、と思いました。ここ数年で二つのカウンセラー資格を取得できました。今はガラリと変わって、英会話のレッスン中!何か学んでないと不安になってしまいます。学ぶということが、習慣になったのでしょうか (@^^)/~
社会情緒的側面、、、自宅は下町浅草です。ご近所付き合いは言わずもがなの環境です。少しだけおせっかいな人もいますが、それでも大切な町の家族です。社外の方々との交流も筆者にとって大切な活動です。こうして千臨技ホームページにコラムを書かせていただくのも社外活動のひとつです。会社を離れて色々な方々とコラボレーション出来ることはとても幸せです。
精神的側面、、、今は日曜の午前中、自宅でこれを書いています。午後は浅草寺にお参りに行きます。毎週日曜日は浅草寺の本堂でこの一週間を振り返り、新たな一週間の心構えを自分に宣誓します(小さな宣誓ですが(^.^))習慣となってるお参りは、行かないと気持ち悪い、とまでになってます(^_^;)

 第七の習慣「刃を研ぐ」の4つの側面の目標は大きなことを設定すると、長続きしません。小さな積み重ねがいつの間にか自分の成長に貢献してくれているのです。

 冒頭では、毎年履歴書を書いて人事部に採用してもらえますか?、と皆さんに問いかけました。自己研鑽し続けて自分の価値を高め続けたいものです。

  -------この内容は、フランクリン・コヴィー・ジャパン「7つの習慣」トレーニングプログラムに基づいて表現しています-------


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