第37回関東甲信地区医学検査学会 2000.10.14-15

平成11年度千葉県病理検査研究班精度管理(免疫染色部門)調査報告

 

千葉県臨床衛生検査技師会病理検査研究班

○東和彦(千葉大学医学部病理学第一講座)
中村和昭(江東微研千葉病理細胞診研究所)

西野武夫(千葉市立海浜病院) 

 

【目的】

現在、病理検査室における免疫染色の実施は日常化している。しかし、県内各施設における実質的な免疫染色の精度管理調査は実施されていない。そこで、平成11年度第1回免疫染色精度管理調査を実施したので報告する。

 

【方法】

精度管理調査参加施設は18施設。予め染色性(陽性)を確認した正常リンパ節のホルマリン固定・パラフィン切片(3μm)、希釈抗体2種類(L-26・UCHL-1)、アンケート用紙を参加施設に配布した。各施設の方法で免疫染色を実施。評価方法は1.発色強度2.発色部位3.陽性細胞数の3項目について各々A.B.Cの3段階評価を設け、病理検査研究班班員により各項目ごとに評価した。

 

【結果】

参加施設数は、従来の精度管理調査(一般染色部門)に参加した43施設中18施設であった。染色方法は15施設がABC法に準ずる方法で実施していた。染色結果はL-26抗体で全項目A判定は8施設、陽性細胞数の項目のみB判定が5施設(13/18施設)、UCHL-1抗体では全項目A判定は7施設、陽性細胞数の項目のみB判定が5施設(12/18施設)、これらを「診断に支障のない染色標本」と評価した。また「診断に支障をきたす染色標本」と評価した施設は1施設であった。

 

【まとめ】

今回、千葉県における第1回免疫染色精度管理調査を実施した。参加施設の約8割が良好な染色と評価された。この結果をふまえて、今後も継続して免疫染色の精度管理調査を実施し、検体処理から免疫染色標本管理の施設間差の是正と技術向上を目標とする方針である。        

 

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