第37回関東甲信地区医学検査学会 2000.10.14-15

便中ヒトヘモグロビン 磁性粒子凝集法の検討

 

○長谷川典子 本松淳 宮下和巳 佐復智美 小口亜紀子
 渋谷昭彦 山田隆一(SRL東京メディカル検査部)

 

【目的】

免疫便潜血検査は大腸癌検診一次スクリーニングとして広く実施されている。今回我々は磁性粒子凝集反応によるマグストリームASでの便潜血検査を検討する機会を得たので報告する。

 

【試薬および測定機器】

「マグストリームHemSp」(兜x士レビオ)を免疫便潜血全自動測定装置「マグストリームAS」(兜x士レビオ)にて測定した。

 

【検討内容および結果】

@測定感度:高濃度試料(精製ヒトヘモグロビン1628ng/ml)を2n希釈し、測定感度を求めた。25ng/mlまで陽性と判定され、RPHA法(イムディアHemSp/富士レビオ)と同等の測定感度が得られた。

A再現性:RPHA法で陰性・陽性と判定された3試料を6回重複測定し、同時再現性を確認した。3試料とも安定したデータが得られた。

B日差再現性:同時再現性で使用した3試料を3日間繰り返し測定した。3試料とも安定したデータが得られた。

Cカットオフ値の検証:メーカー推奨カットオフ値219ピクセルを用い、RPHA法陽性率と比較検討した。症例452件の陽性率は4.7%であり、我々の施設で昨年測定した陽性率5.5%と同等であった。

DRPHAとの一致率:我々の施設に搬入された967検体で、RPHA法との一致率を検証した。一致率は98.8%と良好な結果が得られた。

 

【考察】

マグストリームASによる磁性粒子凝集法での便潜血検査は、感度および再現性においてRPHA法と同等であり、一致率も良好である。便潜血検査定性では十分な性能であるとおもわれる。

 

03-3931-6061