第37回関東甲信地区医学検査学会 2000.10.14-15

グリーンクームスワコーの使用経験

 

東海大学病院 細胞移植医療センター 輸血検査室

○倉島志保  武井美恵子  山口陽子  小林信昌     

 

【目的】

現在使用されている広範囲抗グロブリン血清(以下クームス血清)は各社から市販されているが、今回、和光純薬社のグリーンクームスワコー(以下クームスワコー)改良試作品の検討をする機会を得たので報告する。

 

【方法】

感度試験:13例の不規則抗体陽性検体を用い、各々1%アルブミン加生理食塩液で倍々希釈後、対応する血球試薬を混和しクームス法まで行った。促進剤は非添加、ポリエチレングリコール溶液(以下PEG)、重合ウシアルブミンの3系列とし、クームス血清はクームスワコー現行品、クームスワコー改良試作品(以下試作品)、カイノス社、国際試薬社を用いて行った。

非特異性試験:205例の健常人新鮮血清及び44例の凍結解凍血清(凍結解凍は1回)を用いて、4社のクームス血清によるPEGクームス法で比較した。

 

【結果】

感度試験:クームス法における促進剤の比較では、PEGが最も感度良く、次いで重合ウシアルブミン、非添加の順であった。クームスワコーの試作品と現行品との比較では、同等の検出感度が得られ、スコア値では試作品の方が高い傾向を示した。また、クームスワコー試作品と他社製品との比較では、国際試薬クームス血清がやや低い傾向を示したものの、促進剤の有無に関わらず殆どの検体で1管差以内であった。

非特異性試験:健常人新鮮血清を用いて比較検討した結果、クームスワコー試作品での非特異性反応は1例も認められず、凍結解凍血清においても非特異性反応は認められなかった。

 

【考察】

和光純薬社のクームスワコー試作品は、日常のルーチン業務において十分使用可能である。また、広範囲クームス血清を使用する場合は、その特徴を熟知し使い分ける必要性がある。

 

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