第37回関東甲信地区医学検査学会 2000.10.14-15

尿自動分析装置導入による効果

 

O奈和手 良知 遠藤 由喜 石橋 敏江 久代 真也

  岡澤 恵美子 脇田 智恵子
(社会保険船橋中央病院 検査部)

 

【はじめに】
 
当院では健康管理センター(以下HC )のシステム更新に伴い尿検査の省力化、一元化を目的に6800形日立自動尿分析装置(以下H6800)を平成1112月より導入した。導入後の運用効果をH6800を中心に報告する。

【概要】
  SuperUA
H6800形尿分析システムを用い検査室と、HCシステムとのオンラインを構築した。 提出尿をバーコードラベルを貼付したスピッツに分注し、搬送ラインにセット、自動で定性、沈渣分析を行う。定性検査はリアルタイムでデータ転送される。沈渣は分析終了後の自動分類及び、 レビュー画像確認後の値をオンラインする。乖離チェック、前回値チェック等、各項目ごとのデータチェックを上位検査システムで管理し、チェックから外れた検体はワークシートにリスト印刷し、沈渣キーボードにて鏡検入力し検査システムへ転送される。

【結果】
 
現在入院外来患者の尿定性検査件数は一日平均140件、そのうち沈渣検査は120件、HCの定性は120件、沈渣は40件。合計沈渣検体数160件のうちH6800の自動分類で報告可能な検体は20%、レビュー画像確認後に報告可能な検体は35%、鏡検を要する検体は患者検体の53%、HC検体では36%となり、導入前に比べ約45%の鏡検率となった。また、データチェックから外れた項目を重点的に鏡検するため、分析機データを参考値として用いる点も迅速化、省力化に効果を上げている。


【考察】
 
本装置の導入により自動分類、レビュー像の特性を生かし迅速化、省力化の効果が得られた。画像データは、技師間差是正に活用でき沈渣成分分類の標準化、統一化に有用である。今後は鏡検率を下げる為にチェック設定値の更なる検討を加え、省力化を推進していきたい。

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