第37回関東甲信地区医学検査学会 2000.10.14-15

当院における院内感染対策・耐性菌サーベイランスシステムの構築

 

○結城篤 長沢光章 古桑美香 大森尚子 森眞一
(防衛医科大学校病院 検査部)

 

【目的】

近年、コンピュータの導入により細菌統計が容易に行えるようになったが、多くの施設では定型の統計処理を行っているのが現状である。今回、システム更新にあたり院内感染対策および耐性菌サーベイランスに有用なシステムを構築したので報告する。

 

【構成】

1.MELAS微生物検査システム(三菱電機)として、apricot FT8000/46027G2台、FT8000/2609G1台をシステムサーバーとし、CX210(4G)7台、AL3004.5G)1台、データバックアップ用MOなどを用いた。

2.任意統計として、日本ベクトン・ディッキンソン細菌検査管理システムV多次元統計ユーティリティーVer.0.9.97およびMicrosoft Accessを使用した。

 

【方法】

1.患者情報(病名、症状、下痢、海外渡航、IVH施行、発熱体温等)はオーダリング入力。

2.白血球数、血沈、CRPは検体受付日の情報を自動ファイル。

3.VITEK(同定・薬剤感受性)の24時間リアルタイムオンライン、BacT/Alert(血液培養)、コバスアンプリコア(PCR)のオンラインによる検査結果入力。

4.投薬情報は病院医事システムからのオンライン入力。

 

【結果】

1.プログラミング等の特別な知識を必要とせず簡便に統計処理が行え、リアルタイムで情報提供が可能となった。

2.フィルされたすべてのデータに対して自由な抽出条件設定およびグラフ化が可能となり、厚生省耐性菌サーベイランス事業にも対応できた。

3.ハードウェアの記憶容量増大により、過去5年間のデータ編集が可能となった。

 

【結語】

多次元の任意統計の充実により、院内感染対策・耐性菌サーベイランスに対する臨床への詳細な情報提供が可能となった。

042-995-1511