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千葉県臨床検査精度管理検査値統一化マニュアルについて

○市原 文雄(社会保険船橋中央病院)、川島 徹(順天堂大学浦安病院)、秋庭 靖男(千葉リハビリテーションセンター)、麻生 裕康(千葉県がんセンター)、大澤 進(千葉大病院)

【はじめに】千臨技臨床化学検査研究班では、配布試料の測定目標値をJSCC勧告法から正確さを伝達した方法で値付けし、目標値からの乖離度合いで評価する方法、いわゆる正確さを基盤としたサーベイを継続実施してきた。そんな中、県内大規模施設が分析機更新と同時に、標準的測定法に切り替えたことを契機として、県立病院が検査値統一化に動き出し、また県内主要施設に本企画会議への参加を呼びかけたところ多くの賛同が得られた。さらに、幕張メッセで開催予定の関甲信学会へ向けての主要事業とすることが決定し、ここに千葉県内検査値統一化プロジェクトがスタートする事になった。目標を2000年10月として統一化委員会を発足させ、県技師会を中心に県医師会や衛生部にも協力を要請し、施設と地域が連携した精度保証を実践していくことが決定したので、完成したマニュアルをもとにその概略について報告する。

【統一化実践手順について】当初の対象項目は臨床化学検査主要21項目。凍結乾燥ヒトプール血清1濃度(中異常域)をメーカーに委託作成させ、委員会が決定した県内基幹8病院が県内推奨値づけ基準法により目標値を設定して、凍結乾燥試料には二次標準管理物質としての意味合いも持たせる。サーベイ参加希望施設はこの凍結試料を購入し、毎日のルーチン業務に投入し、内部・外部の精密かつ正確さを兼ね備えた日常管理に利用する。また、従来の年一回の各研究班合同による精度管理調査には、これまでの凍結ヒトプール血清3濃度による評価を継続するとともに、ドライケムなど緊急用等に利用している分析機の評価も併せて行う。

【今後の展望】血液・免疫部門へと対象項目を拡大させ、委員会が定めた許容誤差範囲を達成している施設には、認証を与えるなども計画中である。