第22回千葉県臨床衛生検査学会抄録(平成13年2月11日開催)



千臨技精度管理一般検査フォトサーベイ 1報

○ 渡邊一博(国保松戸市立病院)
古谷公英(順天堂大学浦安病院)
田中雅美(成田赤十字病院)
佐瀬正次郎(総合病院国保旭中央病院)
水野由喜子(帝京大学医学部附属市原病院)
伊瀬恵子(千葉大学医学部附属病院)

【はじめに】千臨技一般検査精度管理としてインターネットを利用したフォトサーベイを行った。回答および解説とアンケート集計について報告する。
【設問1】正解:移行上皮細胞 62/65(95.4%)
扁平上皮細胞  3/65(4.6%)
細胞の辺縁構造、細胞質の色調、核の大きさ・個数、S染色(Sternheimer染色)の染色性等により判定する。
【設問2】正解:尿細管上皮細胞62/65(95.4%)
移行上皮細胞 2/65(3.1%)白血球 1/65(1.5%)
細胞の辺縁構造、表面構造、核の大きさ・構造、S染色の染色性等により判定する。
【設問3】正解:ウィルス感染細胞34/65(52.3%)
核内封入体細胞12/65(18.5%)
封入体細胞7/65(10.8%)
異型細胞7/65(10.8%) その他5/65(7.7%)
核内封入体細胞は、サイトメガロ・ヘルペスウィルス感染細胞に見られる核内に封入体を持つ細胞
、異型細胞は悪性を疑う細胞とし、設問のスリガラス様核を持つ細胞はウィルス感染細胞に分類。
【設問4】正解:ヘモジデリン顆粒47/63(74.6%)
赤血球6/63(9.5%)卵円型脂肪体5/63(7.9%)
赤血球円柱2/63(3.2%)その他3/63(4.8%)
無染色標本では、黄褐色の顆粒が尿細管上皮細胞
・組織球内または散在的に顆粒状に見られる、S染色では赤褐色に染まる。Berlin-bule染色で確認し判定する。
047-363-2171(内3014)
千臨技精度管理一般検査フォトサーベイ 2報

○ 渡邊一博(国保松戸市立病院)
古谷公英(順天堂大学浦安病院)
田中雅美(成田赤十字病院)
佐瀬正次郎(総合病院国保旭中央病院)
水野由喜子(帝京大学医学部附属市原病院)
伊瀬恵子(千葉大学医学部附属病院)

【設問5】正解:蝋様円柱65/65(100%)
光沢や厚みがあり複数の切れ込みが見られ、輪郭
は明瞭で、S染色は赤紫色に染まることから判定する。
【設問6】正解:シスチン結晶64/65(98.5%)
コレステロール結晶1/65(1.5%)
シスチン結晶の鑑別には、結晶の形、溶解性の確認、化学的定性反応、尿中アミノ酸分析などの検査により判定する。
【設問7】正解:横川吸虫卵56/64(87.5%)
有蓋異形吸虫卵1/64(1.6%)
広節裂頭条虫卵1/64(1.6%)
蛔虫1/64(1.6%) その他5/64(7.8%)
虫卵の大きさ・色、小蓋を有し蓋と卵殻の接合部は突出せず、卵殻と蓋縁は同一曲線上にあることにより横川吸虫卵と判定。
【設問8】正解:クリプトコッカス54/62(87.1%)
クリプトコッカス感染細胞1/64(1.6%)
真菌1/64(1.6%) 髄膜炎菌1/64(1.6%)
その他5/64(7.8%)
髄液細胞数算定時に、大小不同があり二重リング
の成分が認められ場合は、クリプトコッカスを疑い、墨汁染色・免疫血清学的検査等を用いて判定する。
【おわりに】今回のフォトサーベイの結果を、次
年度の研修会等に反映して行きたい。
047-363-2171(内3014)

制作・著作:社団法人千葉県臨床衛生検査技師会