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富士ドライケムにおける外部精度管理の解析報告

○得平真子 福住直樹(富士フイルムメディカル株式会社)

【目的】千葉県臨床化学外部精度管理において、富士ドライケムで参加している施設は、対照機と同じ値に報告しているかを確認するために相関合わせ係数を入力した状態で測定結果を報告している。この状態では富士ドライケムの本来の正確度を示す事ができないため標準状態に計算し直し、その計算値とサーベイ目標値との関係について調査した。

【方法】相関合わせ係数を外す計算を行い、サーベイ目標値に対するバイアス%で比較した。

【結果】主な項目の試料1)、2)のバイアス%[B%:(FDC平均値-目標値)/目標値*100]を示した。
AST1)4.6、2)-3.8、ALT1)7.2、2)3.1、GGT1)1.3、2)1.3、ALP1)-3.9、2)4.5、LD1)-8.3、2)-3.9、CK1)-1.5、2)0.7
BUN1)90.0、2)5.1、CRE1)オーバーレンジ、2)87.4、TG1)35.3、2)121.2、TCH1)2.1、2)-4.8、Cl1)-2.8、2)-7.7

【まとめ】平成14年度からJSCC標準化対応法に合わせた酵素6項目のFDC平均値はサーベイ許容幅内にあり、各施設でもよく一致していた。
今回の試料は日常検査では遭遇しない高濃度のNH3が含まれていたため、BUN、CREが高値化した。また、TGは遊離グリセロール未消去法であることと、試料中へのイントラファット添加の影響により高値化した。
TCHOは試料中のUA濃度が7mg/dlを超える検体では溶液法に対し負誤差となる事がある。今回の試料2でUAが7.12mg/dlであったためTCHOが若干低値になっていた。今後TCHOにおけるUAの影響を回避したスライド改良を実施する予定である。

【結論】プール血清を使用した今回のサーベイでは、一部の項目を除き、JSCC標準化対応法に正確度を合わせた酵素6項目を含めほとんどの項目でサーベイ目標値とほぼ一致する結果を得られた。

連絡先 03-3545-3308