年齢/性別:35歳 女性
採取部位(方法):腹腔洗浄液
臨床所見:胃癌

中皮細胞(mesothelial cell)
異型性の無いリンパ球、組織球を背景に小さな細胞集団がみられる強拡大像。集団中の細胞は扁平で1層に並び、核の周囲のリンパ球、組織球と比べて濃染性やクロマチンの凝集はみられない。ライトグリーン好性で一部エオジン好性の無構造、高密度な物質は、粘液というより、細胞外基質と考えられる。悪性所見は無く、中皮細胞が最も相応しい。このような中皮細胞とその直下の基質からなる集団は、約半数の腹腔洗浄細胞診症例に出現するといわれ、collagenous stroma(1〜3型)の1型とも呼ばれている。術中の腹水またはダグラス窩洗浄細胞診は、胃癌取扱い規約においてCY0(陰性)、CY1(陽性)と記載され、CY1の場合には進行度(Stage)がWとなる重要な因子である。