千臨技会誌　2009　No.1　通巻105

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はじめに 　今回は，野田市の国道16号沿いに設立されています，小張総合病院・小張総合クリニックに訪問させていただきました．診療科19科，病床数326床，１日の外来患者数は約700名程度で，千葉県東葛北部地区の中核病院としての機能を果たされています．基本的には，24時間365日，救急患者(小児科救急患者を含む)の受け入れをなさっているそうです． 病　院　全　景 クリニック・エントランス 　施設は道路をはさんで，小張総合病院と小張総合クリニックにわかれて建っており，小張総合クリニックは外来部門を，小張総合病院は入院・救急部門と業務を分担されているそうです． 検査科訪問 　検査科の幡野 薫 科長にご案内していただきました．小張総合病院・小張総合クリニックでは，検査科，検診部門，病理部の３部門に検査技師が配属されているそうです．基本的には３部門間の技師のローテションはなく，独立した部門として業務をなさっているそうです． 　最初に病院内の検査科を訪問させていただきました．病院とクリニックあわせて検査技師10名，非常勤１名で構成されているそうです．業務は生理検査が主で，検体検査は夜間当直時，日中の緊急検査，緊急血液型・交差試験以外は，外注検査となっているそうです．驚いた事に，外注先の検査室が病院の近くにあり，検体の集配が平日は，朝７時から19時まで，土曜日も17時まで，30分おきにあるそうです．また，検査結果も電子カルテを使用しているため，外注先の結果が通信回線を通じて取り込まれ，院内に検査室があるのとほぼ同じような感覚だそうです． Ortho VITROS 350 Sysmex KX-21 Ortho Bio Vue 輸血検査機器 Wako COAG2 凝固検査機器　 　生理検査は心電図検査，ホルター心電図，運動負荷心電図検査，肺機能検査，ABI検査，耳鼻科系検査，脳波検査，筋電図検査，超音波検査（心臓・腹部・乳房・血管･その他）等を実施されているそうです．職員10名と聞くと人員は豊富そうですが，病院・クリニックと２施設にまたがっているため，人のやりくりは大変ということです．超音波機器のメーカーを病院・クリニック・救急外来と統一して，操作を迷わないようにしたり，１台の機器で複数領域の検査をできるようにプローブを複数準備したりと，工夫なさっているようでした．また，小張総合病院では超音波検査について４人の担当者が交代で，夜間の緊急超音波検査呼び出しに対応しているそうです．担当者皆さんのお住まいが30以内ということですが，緊急超音波検査呼び出しというのは大変めずらしいことで，日頃の正確な業務の積み重ねが信頼を得ているのだと思いました． 東芝　Aplio 呼吸機能 ミナトSYSTEM21 　 GE超音波ポータブル用機器 脳波計 日本光電EEG-1514 筋　電　計 　次に病理部を訪問させていただきました．建物は２階建ての別棟となっており，１階が標本作製等のスペース，２階が鏡検と標本保存のスペースとなっていました．検査技師は２名で構成されているそうで，お１人の方が細胞検査士の資格をお持ちという事でした．また，病理医も常勤の先生がおられるということでした． 　 病理検査室 病理検査室 病理検査室鏡検中 病理検査室染色中 　次に病院の７階に位置する，検診センターを見学させていただきました．検査技師は非常勤の方を含んで５名の方で構成されているそうです．日帰り・１泊ドックを行っているそうで，心電図，肺機能，超音波検査等の検査を実施しているそうです．７階という事で眺めがよく，晴れた日には，富士山，筑波山がよく見えるという事でした． GE LOGIQ7 心　電　計 トレッドミル負荷心電図 　最後に，外来患者さんがいなくなったので，クリニックを見学させていただきました．新しい建物ということで天井が高く，広々とした印象です．生理検査室は内科診察室とワンフロアなため，医師とのコンタクトが取りやすいとのことでした． 　小張総合病院・小張総合クリニックに訪問させていただいて，検査技師の人数は病院の規模と比較して，決して多くはありませんが，夜間の緊急超音波検査呼び出しに代表されるように，病院内で信頼されて存在感のある検査室だと思いました．また，病院内にとどまらず，スキルアップの為に病院外にどんどん出て行って，活躍してほしいという幡野技師長の言葉が印象に残りました． 　お忙しいなか，幡野科長をはじめ，検査科，検診部門，病理部の皆様ありがとうございました． 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（福田　憲一，広橋いつ子，平田　哲士） エコーレポート作成中 クリニックの皆様