設問 4

社団法人千葉県臨床衛生検査技師会 一般検査研究班

58歳、女性 子宮癌術後、抗癌剤、放射線治療中の患者尿である。
矢印で示す成分を判定してください。
尿定性検査成績:pH6.5 糖(−) 蛋白(±) 潜血(−)


無染色 400倍 Sternheimer染色 400倍

正解:細菌(分裂異常)

解説:患者は、子宮癌の手術後に、抗癌剤や放射線治療、さらにβ-ラクタム系抗菌薬(ペニシリン系)を大量に投与されている。
尿などの液状検体中に存在するグラム陰性桿菌は、 β-ラクタム系抗菌薬の長期投与により細菌の細胞壁の合成阻害を起こす場合がある。このような菌体は、通常の二分裂増殖ができなくなり伸展したり、一部が球状に膨大することがある。(説明 図)(写真3、4)真菌や細い円柱などと間違えないよう注意する必要がある。このような細菌を平板培地で培養させると通常の二分裂で増殖する。

写真 3 グラム染色 1000倍 無染色 400倍

解説:伊瀬恵子(千葉大学医学部附属病院)


解答集計 (参加93施設) 施設数
細菌 52 55.9
変形細菌 24 25.8
異常分裂細菌 3 3.2
桿菌 2 2.2
真菌 4 4.3
扁平上皮癌細胞 2 2.2
扁平上皮細胞 2 2.2
性腺分泌物 2 2.2
その他 2 2.2


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