設問 7

社団法人千葉県臨床衛生検査技師会 一般検査研究班

5歳 女児、便に糸くず状の虫が混ざって排泄されたと持参、
その小虫に付着していた成分を判定してください。


無染色 400倍

正解:蟯虫卵 Enterobius vermicuiaris

解説:虫卵の大きさが50〜60μm×20〜30μm無色で、卵殻は厚く一端はややとがり、一辺は直線に近く他片は湾曲している特徴と虫体が糸くず状の小虫であることから蟯虫卵と判定される。
 蟯虫卵は幼児の検査で高い寄生率をみる。また、家族内感染が多く30〜40才代の父母にも感染者がみられる。
 蟯虫は、白色の小線虫で頭部に3個の口唇と1対の小さな頭翼が有り、食道の後端部は球状にふくらんでいる。(写真 2) 雌 8〜13mm 尾端は細くとがり陰門は体の前方1/3程の所に開口。
雄 2〜5mm 尾端は腹側に曲がっており、交接刺は1本。
 成熟卵がヒトに摂取されると、十二指腸でふ化し、回盲部に降って成虫となる。雌は子宮内に卵が成熟し、充満すると、夜間睡眠時に大腸を下降し肛門外にはいだして、肛門周囲に産卵する。産卵数は6000〜10000で、1度の産卵で寿命を終える。虫卵は6〜7時間後には感染性の幼虫包蔵卵となる。
 少数寄生の場合は無症状である事が多く、多数寄生すると下痢、腹痛、肛門周辺のそう痒感から不眠、頭痛などをおこす。
 検査は虫卵が便に出ることはほとんどないので、肛囲検査法(セロファンテープ法や肛囲清拭)を行なう。検出率は50〜60%であるので、2〜3回の検査が必要である。また、検査は早朝起床時に行う。
 駆虫薬は、ピランテル、ピニビニウム、ピペラジンを用いる。
家族内感染が多いので、陽性者が家族にいる場合は家族全員の駆虫をすることが望ましい。

写真 2
虫体先端部の頭翼と食道後端の球状部が確認できる


解説:渡邊 一博(国保松戸市立病院)


解答集計 (参加93施設) 施設数
蟯虫卵 91 97.8
東洋毛様線虫卵 1 1.1
日本海裂頭条虫卵 1 1.1


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