設問 4 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
社団法人千葉県臨床検査技師会 一般検査研究班 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
74歳、男性。排尿障害及び肉眼的血尿にて泌尿器科外来を受診した患者尿である。 矢印で示す成分を判定してください。 尿定性検査成績:pH6.5 蛋白(1+) 糖(−) 潜血(2+) |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
無染色 400倍 | Sternheimer染色 400倍 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
正解:異型細胞(腺癌細胞疑い) |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
解説:無染色にみられる放射状配列を示す細胞集塊は灰白色調で、N/C比が高く、核小体の肥大がみられる。S染色においても細胞集塊の一部に放射状配列を示し、個々の細胞はN/C比大、核の大小不同、クロマチンの増量、核小体の肥大を認める。以上の所見より異型細胞(腺癌細胞疑い)が示唆される。本細胞は前立腺癌の患者尿にみられた腺癌細胞である。 前立腺癌の細胞は背景の赤血球と比較してやや大きい程度であることが多い。 腺癌細胞の典型像は灰白色調、表面構造は均質、放射状配列、核偏在性、核増大、円形〜類円形核、クロマチン細顆粒状、核中心性に著明な核小体などが挙げられる。 (鑑別すべき細胞) 円形の尿細管上皮細胞は核の増大や核小体の肥大を認めることがあるが、クロマチンの増量を伴わないことが悪性細胞との鑑別点となる。 移行上皮癌細胞は腺癌細胞に比べて黄色調で、表面構造はザラザラしている。また核形不整が強く、クロマチンは顆粒状を示す。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
尿細管上皮細胞 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
無染色 400倍 | Sternheimer染色 400倍 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
移行上皮細胞癌細胞 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
無染色 400倍 | Sternheimer染色 400倍 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
解説:西周 裕晃(公立長生病院) |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
次の設問へ トップにもどる | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
Copyright:(C) 2006 Chiba Association of Medical Technologists. All rights reserved |