検査技師の採血業務(病棟採血)について

千葉社会保険病院
森 重彦

@ 採血業務導入の経緯
平成4年11月より、検査技師の業務拡大の一環として採血業務を始めた。勤務体制および業務に支障の出ない方法を、医局の意見を交えて検査部と看護部で協議して外科系病棟(外科,胃腸科,肛門科,整形外科)のみ11時採血と称して採血を実施する事となった。11時であると、ほぼ空腹時となっているものの、食餌の影響がデータに大きく影響する項目については、看護婦による早朝採血を行っている。

A 採血業務の人員構成
検査部正職員24名の中で、検体検査に携わる臨床検査技師12名が従事し、1日に2名ずつ当番制で採血を行っている。血液検査担当者は、病棟採血を開始する以前より凝固線用系検査の採血を行っていたため支障はなかったが、採血の手技に不安な技師はトレーニングを兼ねて、比較的採血の容易と思われた健康管理センター健診受診者の採血を行い患者採血に備えた。

B 採血業務のシステム(流れ)
原則的に、採血日前日の午後4時までに依頼され検査部側から病棟に依頼伝票を取りに行き、採血管を準備する。月曜日の依頼は、金曜日の午後4時までに依頼する。現実には、外科系病棟のため手術終了後に依頼が発生することが多く、採血日に採血管を準備することが殆どである。

C 採血業務のトラブル(諸問題)
採血時間が11時である事から、患者が放射線検査,物療および生理検査に出向いておりベットにいない事がしばしばある。院内感染対策としての、ガウンテクニックに手間取る。看護婦または医師でも採血が困難な患者も技師の採血として依頼されることがある。

D今後の採血業務
本年11月より、検査部システム化に伴い検査部門に外来中央採血室を隣接させ、看護婦と検査技師が一緒に外来患者の採血を実施する。