第37回関東甲信地区医学検査学会 2000.10.14-15

 

インフルエンザA抗原検出用キット(ディレクティジェンFlu A)の検討

 

萩原紀子 橋本洋子 前澤民子 菅沼徹(伊勢原協同病院検査科)
 
木村和弘 込山修 山本敬一(同小児科) 梶原博(同検査科)
 
山崎雅彦(秦野赤十字病院小児科) 渡邊寿美(神奈川県衛生研究所)

 

【目的】

冬季の代表的な呼吸器感染症であるインフルエンザは、小児や高齢者およびハイリスクグループでは重傷化しやすく死亡例も多いと考えられ、迅速診断が求められている。この様な状況下、アマンタジンが抗ウイルス剤としてA型インフルエンザに適応拡大されたのに呼応して、平成111月、A型インフルエンザの迅速診断キット(ディレクティジェンFlu A)が発売された。今回はその有用性の評価を目的として検討を行った。

 

【方法】

平成121月から3月にかけて、当院小児科にインフルエンザ様症状で受診した小児の鼻汁吸引液244検体を対象とした。ディレクティジェンFlu Aを添付されたプロトコールに従って行った。ウイルス分離は凍結検体を神奈川県衛生研究所に送付して行い、結果が一致しなかったものに関してはPCR法にて確認した。

 

【結果】

 244検体中A型インフルエンザが培養またはPCR法にて陽性であったものは136例。ディレクティジェンFlu Aでは126例が陽性であった。その結果、感度は92.6%、特異度は100%であった。

 

【考察】

 ディレクティジェンFlu Aは、感度、特異度ともに高く、簡便かつ迅速な検査が可能であり、有用な検査キットであると考えられた。

 

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