第37回関東甲信地区医学検査学会 2000.10.14-15

MDA180による新しいDIC診断マーカーの基礎的検討

 

吉川小百合、須永  良、山本隆行、舘下孝光

(三菱化学ビーシーエル  聖マリアンナ医科大学  横浜市西部病院ラボ臨床検査部)

 

【目的】

日常の血液検査において、凝固時間法、合成基質法及び免疫学的測定法を、一つの装置で行う全自動測定機が広く用いられ、検査業務の迅速化及び効率化に貢献している。今回我々はMDA180でのラテックス免疫凝集法を用いた、可溶性フィブリンモノマー複合体(以下SF)測定試薬の基礎的検討を行ったので報告する。

 

【方法】

抗ヒトSFモノクローナル抗体を使用したラテックス試薬を使用し、検量線の作成、再現性、直線性(プロゾーン)、従来法との相関及び共存物質の影響について検討を行った。

 

【結果】

検量域(2.580μg/mL)、同時再現性(濃度4.4μg/mL、CV=4.87%)、従来法との相関(y=1.356x-0.603r=0.981)、溶血ヘモグロビン(4400 mg/dL)、ビリルビンC(195mg/dL)、ビリルビンF(186mg/dL)乳ビ(23500度)リウマチ因子(500 IU/mL)まで測定値に影響は見られなかった。また、80μg/mLまで良好な直線性が認められた。

 

【結論】

可溶性フィブリンモノマー複合体は血漿中のトロンビン存在下で有意に上昇し、DICの早期診断に有用な分子マーカーである。

MDA180でのSF測定は簡便な方法で、従来法と良好な相関関係を示し、日常検査に有用であると思われる。

 

連絡先  045(366)2184