第37回関東甲信地区医学検査学会 2000.10.14-15

コアグレックス800における基礎的検討

 

〇大野優子 金沢めぐみ 小松千浩 瀬戸山昌宏 田中千賀子 寺井弘明
 原島典子 佐藤宏 池田斉(埼玉医科大学総合医療センター)        

 

【はじめに】

全自動血液凝固分析装置コアグレックス800(国際試薬:以下CR800)を使用する機会を得,日常検査に使用中の機器STA(ロシュ社)及びエルピアS−500(ダイアヤトロン)とのデータの比較と基礎的検討を行ったので報告する。

 

【対象・方法】

装置:CR800比較機種:STA測定項目aPTT,PT,Fib,TT,HP,ATV(合成基質法)エルピアS−500(ダイアヤトロン)FDP,Dダイマー 

試薬:それぞれの機器の専用試薬を使用した。対象:当センター外来,入院患者の3.8%クエン酸Na加血漿,アプロチニン加血清を使用した。

同時再現性:管理血漿を用い,それぞれ20回測定した。

日差再現性:管理血漿を用い,7日間測定した。希釈直線性:Fib,FDP,Dダイマーについて患者検体を用い測定した。

従来法との相関:患者血漿を用い機種間の相関を見た。

 

【結果・まとめ】

同時再現性:2濃度におけるCVPT2.7-3.6% aPTT1.4-3.2% Fib3.3-5.2% TT4.3-5.3% HP2.2-3.0% ATV1.7-5.6% FDP2.5-3.4% Dダイマー2.7-3.9%であった。日差再現性:2濃度におけるCVは,PT3.6-3.9% aPTT1.2-3.1% Fib3.1-5.2% TT3.5-4.7% HP2.4-5.1%ATV1.3-5.3% FDP2.6-4.0% Dダイマー3.6-5.9であった。希釈直線性:Fib 600mg/dl,FDP 80ug/mlDダイマー25ug/mlまで直線性が認められた。従来法との相関:傾き0.8-1.3,相関係数r=0.85-0.97あった。相関はほぼ良好であったがスチールボール振幅変化で結果を出すSTAと散乱光の検出によるCR800では測定原理の違いから傾きに幅の出る結果となった。

 

Tel 0492-28-3497