第37回関東甲信地区医学検査学会 2000.10.14-15

小児科における好酸球増多症について

 

○甕 その子、橋本正江、田名網真紀、舘野誠
   (館林厚生病院)

 

目的

好酸球増多をきたす疾患と頻度について1999年1月から12月までの1年間、小児科外来の患者の現状を検討した。

 

【対象及び方法】

当院小児科外来の患者で血液像の依頼のあった177件について好酸球値が500/ μl 以上の検体について疾患名, IgE,その時のWBC,リンパ球/好中球数/好酸球数について検討した。検体は,全自動血液分析装置(SE-9000 Sysmex)により測定した。 Positiveにでた検体については顕微鏡で確認した。

 

結果

1999年1年間の血液像依頼はのべ9069件で,このうち744件が好酸球値が500/μl 以上であり全体の8.2%であった。また744件のうち各科の占める割合は小児科177,小児科病棟192,他の科の小児は耳鼻科の5件で小児が50.2%を占めていた。月別の出現率をみると8月と10月に多かった。疾患名では気管支喘息48,風邪31,アレルギ−・アトピ−15,MCLS 6,てんかん7名等であった。

 

考察

  当院小児科の末梢血好酸球増多症は反応性の増多が全てであった。顕微鏡で確認したもので形態異常を伴うものはなかった。気管支喘息患者のIgE値と好酸球の直接の因果関係はみられなかった。WBC,リンパ球数/好中球数/好酸球数について各疾患で比較してみたところ喘息と風邪,は同じでリンパ球<好中球数を示したがアレルギ−・アトピ−では好中球<リンパ球数を示した。

今回初めて行った検討だったのでこの結果をふまえ他地域との比較や年代を経て再調査することが必要と考えられました。

 ( 連絡先   0276-72-3140  内線359)