第37回関東甲信地区医学検査学会 2000.10.14-15

寒天培地におけるS.epidermidisの同定の試み

 

 ○真澄.古畑健司.霜島正浩.瀬戸勇
(株式会社ビ−・エム・エル)

 

【目的】

現在、ブドウ球菌属を構成する細菌は33菌種8亜種,計37菌種に分類されており、ヒトやウサギなどの血漿を凝固させる酵素であるコアグラ−ゼを産生する(陽性)菌種と産生しない(陰性)菌種に大別される。今回我々は、CNSの中でも感染症に起因する率が高いとされているS.epidermidisの鑑別用培地を検討したので報告する。

 

【方法】

当施設における分離されたコアグラ−ゼ陰性ブドウ球菌(CNS)100株についてN−IDテスト・SP−18(日水)とS.epidermidis鑑別用培地(仮称)の比較検討を行った。

 

S.epidermidis鑑別用培地(仮称)の特徴】

S.epidermidis以外のStaphylococcus属は、この培地に添加してある糖から、通常酸を産生します。この酸が培地中のpHインジケ−タ−(BCP)を紫色から黄色に変色させるため、S.epidermidisとそれ以外のStaphylococcus属を区別することができます。

 

【まとめ】

今回の検討結果では、100%の一致率を示し精度面,効率性,コスト面においても十分ル−チン検査に使用できることを確認した。