第37回関東甲信地区医学検査学会 2000.10.14-15

ホルター心電図における電極の検討

 

吉益忠則、玄葉圭子、榎本由美、原美砂子、酒井満子、池田勇一
    誠、堂満憲一、大山典明(慈恵医大柏病院 中央検査部)

 

【目的】

ホルター心電図検査において24時間安定した波形を記録するためには、誘導コードのメンテナンスや装着時のコードの固定などが不可欠である。今回我々は、新型電極の開発に携わる機会を得たので報告する。

 

【対象・方法】

対象は20歳〜65歳までの12名(男性7名、女性5名)である。新型電極は日本光電社製で、L字型をした粘着テープに電極と誘導コードが一体化したディスポーサブルタイプを使用した。電極装着条件を統一して電極の接着状況を確認すると共に、装着中の感想なども被検者より調査した。また記録された波形についても検討を行った。

 

【評価】

今回の新型電極は、従来電極より装着時間が短く、誘導コードのメンテナンスにおける手間が不要であった。また、形状が一定な為、同一個人では同じ位置に簡単に装着でき、誘導コードの接続ミスも起こらない。更に補助テープでコードを固定する必要がないため、皮膚のかぶれも少ない。問題点としては、形状が一定の為、傷をさけて装着する時や誘導法を変える時、電極1カ所だけの位置変更ができない。また、従来よりコストがかかる等であった。

 

【まとめ】

今回の検討では、ホルター心電図検査として臨床的にも問題なく、短時間で多くの機器を装着することができることから、ルーチン検査においては大変有用であるとの結論を得た。

  発表時には、問題点を改善し発売された電極についても検討を加える予定である。

 

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