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日立7170分析装置による血中薬物濃度測定の検討  

◯藤代 誠、久保田 清美、上野 芳人、三橋 裕行、桑田 昇治、木野内 喬 (帝京大学市原病院 中央検査部)

【目的】汎用生化学自動分析機を用いた免疫測定法による血中薬物濃度測定について検討を行ったので報告する。

【方法】1.測定試薬は第一化学社製のデイーアールアイ ジゴキシン、デイーアールアイ フェニトイン、デイーアールアイ テオフィリンを用いた。測定機器は、日立7170形自動分析装置を用いた。

2.比較対照にはセデイアジゴキシン(小野内製薬)、フェニトイン「アボット」(ダイヤトロン)、テオフィリン「アボット」(ダイヤトロン)の測定試薬をそれぞれ用いた。

【結果】1.同時再現性:患者プール血清を連続10回測定した結果、CVはジゴキシン1.3%、フェニトインは1.4%、テオフィリンは2.9%と良好であった。

2.共存物質の影響:干渉チェックAおよび干渉チェックRFプラス(国際試薬)を用いて測定したところ、ビリルビンFは18.2 mg/dl まで、ビリルビンC19.6mg/dlまで、溶血ヘモグロビンは460mg/dl まで、乳ビは2400ホルマジン濁度まで、RFは500 IU/mlまで、それぞれ影響は認められなかった。

3.相関:当院入院・外来患者検体を用い、本法と他法との比較を行った。三試薬とも回帰式、相関係数ともに良好な成績であった。

【考察】本法は、再現性に優れ、共存物質の影響も認められず、従来法との相関も良好な結果が得られた。なお、試薬調整の必要がなく、日常ルーチン検査の省力化と測定時間の短縮化が可能で薬物療法の際の緊急測定に有用と思われた。