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頚動脈超音波所見と動脈硬化危険因子の関連性について

〇山下巧一 小林裕治 安村将人 富田裕邦(亀田総合病院附属幕張クリニック)

【目的】動脈硬化症の危険因子として、年齢・高血圧・糖尿病・高脂血症が極めて重要であることは周知のことである。また近年、動脈硬化を評価する手段として頚動脈超音波法が広く用いられるようになった。そこで今回我々は、頚動脈超音波法による動脈硬化病変と各危険因子との関連を明らかにすることを目的とした。

【対象と方法】平成12年1月から平成14年10月までの人間ドック受診者で頚動脈エコーを実施した654名(平均年齢57歳・男性472名・女性182名)を対象とした。頚動脈の超音波所見は頚動脈硬化(プラーク、内中膜の肥厚)と異常なしとの二群に分類し検討した。検討項目は性別、年齢、血圧(収縮期血圧、拡張期血圧)、脂質代謝(T−CHO、HDL−C、LDL−C、TG)、糖代謝(空腹時血糖、HbA1c)とした。統計学的検討は多重ロジスティック回帰法による多変量解析を用いて行った。

【結果】頚動脈超音波にて動脈硬化所見を認めたのは320名(48.9%)であった。多変量解析にて動脈硬化所見と有意な関連がみられた因子は,年齢、性別、収縮期血圧、HbA1Cであった。各因子における危険群は,年齢については高齢者(P<0.0001),性別においては男性が(P<0.05)危険度が高かった。また高血圧(P<0.05)、耐糖能異常(HbA1C高値)(P<0.05)の群で有意に危険度が高かった。脂質代謝系の各危険因子では有意差を認めなかった。

043-296-2378