千臨技会誌 2000 No.3 通巻80
素顔点描     順天堂大学医学部臨床病理学教授
順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院
検査科科長
顧問 石 和久 先生
講   義 HLA血清学的タイピングから DNAタイピングへ
血清学は不要になるのか
帝京大学医学部附属市原病院
中央検査部・輸血部副部長 
帝京大学医学部第三内科学助教授

桑田 昇治 先生
研   究 日本臨床化学会尿酸測定勧告法における
除蛋白操作での回収率誤差の確認
藤原恵子1)  真々田賢司1)  伊藤順子1)
大澤 進
1)  野村文夫1) 2)
1) 千葉大学医学部附属病院 検査部
2) 千葉大学医学部 臨床検査医学講座
資   料 なぜいま 「チーム医療を考える」 講習会なのか (社) 千葉県臨床衛生検査技師会

渉外担当 副会長 才藤 純一
資   料 千葉県検査値統一化事業の経過報告 (社) 千葉県臨床衛生検査技師会

千葉県検査値統一化委員会 梅宮 敏文
施設紹介 安房医師会病院    



素顔点描
顧問  石  和久先生
順天堂大学医学部臨床病理学教授
順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院検査科科長


1. ご略歴

昭和48年7月 順天堂大学医学部卒業
昭和48年10月 医師国家試験合格
昭和48年10月 順天堂大学医学部産婦人科学専攻生
昭和51年1月 順天堂大学医学部第二病理学教室専攻生
昭和51年4月 同助手
昭和54年10月 順天堂大学にて医学博士の学位授与
昭和57年4月 越谷市立病院検査科医長
       順天堂大学医学部病理学教室
       非常勤講師
昭和59年4月 順天堂大学医学部附属浦安病院
       検査科科長
       順天堂大学医学部第二病理学教室講師
昭和60年6月 順天堂大学医学部臨床病理学教室講師
昭和63年4月 同助教授
平成9年8月 同教授

資  格:屍体解剖資格、 日本病理学会認定病理医、 日本臨床細胞学会細胞診指導医、
     日本臨床病理学会認定臨床検査医

所属学会:日本病理学会、 日本臨床病理学会、 日本臨床細胞学会、 日本癌学会、 日本臨床電顕学会


2. インタビュー

(Q) インタビュア 小山  宏 

(Q)  ご専門は何ですか。
(A)  病理細胞診です。 卒業してから3年間は婦人科に関する細胞診に携りました。 特にヒトパピローマウィルスを専門としてやっていました。この流れから現在は性感染症学です。

(Q)

 現在どのような委員をなさっていますか。
(A)  学会は臨床細胞学会と臨床病理学会、 性感染症学会、とその評議委員などをしています。

(Q)

 自施設の検査室に対しての要望、 及びこれからの体制作りはどのようにされますか。
(A)  ルーチンワークも病院内各科の研究および研究手伝いもすべてうちで統括してやりたいと思っています。 検査科の業務は全体的に縮小傾向に向かっていますが、 これにより業務の拡大をしたいと思っています。 経済的な面から研究というのは検査科ではだめという施設が多いと思いますが、 研究を希望する臨床医もいますのでそれを手伝う。 自分たちの活性化のためにもやってもらいたい。

(Q)

 千葉県臨床衛生検査技師会は病院間の検査データ共有化の実現を目指し、 検査値の統一化事業を推進していますがご意見をお聞かせ下さい。
(A)  千葉県臨床衛生検査技師会に対しては検査データの共有化を推進してもらい、 患者さんが光カードを持ちどこの病院に行ってもその検査内容を信用して使えるような検査データを提供できる活動をしてもらいたい。 また統一化事業の目標は最終的には日本全国統一を目指してもらいたい。 日本全国統一を千葉からと思う。 あとは各関連学会に働きかけることが必要と思います。

(Q)

 技師会の活動に対して望まれることは何ですか。
(A)  千葉県の各地域内において得意不得意な分野があると思うが、 専門の分野を病院間でお互いに補助しあって検査を行なえるような、 共通のシステムを作ってもらいたい。 たとえばここの病院は電顕を持っているとか、 検査で特殊なところの遺伝子検査とか病理検査とかの、 得意不得意のところをお互いの病院でカバーして検査できるように、 技師会の活動をしていってほしい。
 機械の共有化もそうですし、 研究面も含めて技術的な協力も行い、 知識の共有化も図る。 そういう活動をしてもらうことにより、 結局は各個人の知識が流動的になり、 お互いの知識レベルのベースアップにつながる。 ということです。

(Q)

 医療制度上の動きとしてDRG/PPSを取り入れる方向性が示されつつありますが、 これに関してどのようにお考えですか。 特に臨床検査にはどのような影響があると思われますか。
(A)  これは医療費の面から、 避けては通れないものだと思います。 最小限の検査で目的が達せられるように、 どういう検査項目がいいかということも検査室から提案できるようにしていった方がいいと思う。 検査件数や点数が少なくなるとは思うが、 検査室で検査内容をセット化して、 影響を軽減していく方向に持っていく方がいいんじゃないか。 決められた予算枠の中で、 検査により診断を確かにするには、 的確な検査が必要となる。 逆に言うと検査の無駄も省かれてくる訳である。 統一化というのも検査の無駄を省くためには重要である。 昨日よその病院で検査したことをまた今日やるというのはおかしいことではないか。

(Q)

 検査項目も絞られてくると思いますが的確な診断という面で、 いま行なっている項目以外にも臨床医からの要望がでてくる可能性はあるでしょうか。
(A)  でてくるかもしれない。 共有化というのは基本的な検査である血算、 生化学、 免疫などの一般的な検査は共有化により絞って少なくして、 別な病院でやり直す必要のない測定をすることと、 もう一つは特殊な検査は地域で機械の共有化、 知識の共有化により行なうことが重要である。
 それだからと言って検査技師の就職が狭まると言うことは無いと思う。 検査はいろいろ分化しているから、 特殊技能を持ち、 臨床をサポートしていけば良いと思う。

(Q)

 また質の高い医療を行なう手段としてEBM (科学的根拠に基づく診断) が話題に上りますが、 ご意見をお聞かせ下さい。
(A)  EBMは最近よく言われるが、 これは当たり前のことであり、 いままで当たり前だったことが突然取り上げられているような気がする。 医学も検査も科学なら状況証拠を押さえてやっていくということは当たり前のこと。 いろいろな慣習があるのかもしれないが、 科学的根拠に基づいて検証しつつ無くしていかなければならないこともある。

(Q)

 これからの臨床検査業務はどうあるべきと思われますか。 また臨床検査技師に対して望むことは何ですか。
(A)  臨床医にアドバイスできるような検査技師、 要するにある程度一般的な検査の基礎知識があってなおかつスペシャリストであること。 その部分では臨床医にアドバイスできるような検査技師になってもらいたい。 具体的には卒業後2. 3年各検査分野のローテーションをして、 その後自分の専門を持つようにしたら良いと思う。 個人の資質や得意不得意もあり、 難しいとは思うが、 一番の問題は意欲を失わないということであると思う。 新人の頃の気持ちを一生忘れないでやるのは難しいけれど、 意欲を失わなければある程度向き不向きをカバーできるものと思う。 サポートする体制面では病院においてもそうであるが、 技師会も意欲を失わせないサポート体制を維持し続けていただきたい。 自分達の職業なんですから。

ありがとうございました。
順天堂大学浦安病院にて
川島会長とともに
順天堂大学浦安病院
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講   義
HLA血 清学的タイピングから DNAタイピングへ
      血清学は不要になるのか
帝京大学医学部附属市原病院
中央検査部・輸血部副部長 
帝京大学医学部第三内科学助教授
桑 田 昇 治


Key words
 HLA、 タイピング、 血清学、 DNA、
 ヌル対立遺伝子

はじめに

 HLA 型判定は、 血清学的型タイピングからPCR法を用いたDNAタイピングが取り入れられている。 本稿では、DNAタイピングの導入により血清学的タイピングが不要になるのかという点について、 タイピング法の進展と現状から概説する。
 HLAは、 検査を担当しているか研究を行なっている方以外にはなじみが薄い上に、HLAを勉強しようと思っても成書が存在しないため分かりにくくしている。 HLA検査が含まれる輸血学のtextbookも選択肢は多くないのが現状である。 このため、 ここではHLAの分子構造、 遺伝子解析法等も含めて解説する。


1.HLA分子

 HLA抗原系には、 血清学的に同定される多くの型があり、 これは、 分子上でのアミノ酸配列の違いを反映している。 高度の多型性は、 第6染色体短腕上のHLA遺伝子により規定されており、 遺伝的多型性 (genetic polymorphisms) とよぶ。
 また、 免疫学的には、 T細胞に、 抗原ペプチドを認識させ、 抗原特異的な免疫応答を開始させる。 この機能は、 抗原提示 (antigen presentation) というHLA分子の重要な役割である。HLA分子上の抗原ペプチド側鎖との結合部位はポケット構造になっており、HLA分子上のアミノ酸配列の違いにより、 提示される抗原ペプチドの選択が行なわれると考えられる。HLA各型ごとに、 結合可能なぺプチドのアミノ酸配列が解析され結合のモチーフが解明されつつある(図1)。
 HLA抗原系は、 クラスT(A、B、C) とクラスU(DR、DQ、DP) に大別され、 分子構造が異なる
1) 2)。 HLAクラスT分子は、 α1、α2、α3、 β2ミクログロブリンの4つのドメインから、 HLAクラスU分子はα1、 α2、β1、β2の4つのドメインから構成される。 クラスT分子の4つのドメインは連続しているが、 クラスU分子はα鎖とβ鎖のヘテロダイマーを形成している。
 HLA各座のHLA型の組合せは、 ランダムではなく、 特定の組合せが観察される。 これを各座遺伝子間は、 連鎖不平衡 (linkagege disequilibrium) の状態にあると表現する。 形成されているHLAの組合せをHLAハプロタイプとよぶ(表1)
3) 。 また、 HLA 型頻度には人種差が見られ、 各HLA型頻度および上記HLAハプロタイプも人種ごとに特徴的である4)
 HLA型は、 すべて健康人に認められる型であり、 異常な型というものは存在しない。 しかしながら、 稀ではあるがHLA分子の欠損例が認められており、 原因により、 1) HLA遺伝子そのものの異常、 2)転写因子による異常 (Bare Lymphocyte Syndrome)
5) 6)、 3) TAP (transporter associated with antigen processing) 遺伝子の異常 (Bare Lymphocyte Syndrome)7) の3種類に分類される。 3者の中で2) 3) は免疫不全症候群であるが1) はすべて健康人である (表2)。


  HLAタイピングは、 HLAの多型性および免疫学的な機能から、 以下の分野で活用されている。
 a.移植に際しての組織適合性
 b.HLA適合血小板輸血
 c.疾患感受性
 d.法医学、 人類遺伝学等


2.血清学タイピング

 血清学による新抗原の発見
 HLA抗原の血清学的タイピングに際して、 現在使用されている抗体は、 ヒト由来のアロ抗血清が中心であり、 一部モノクローナル抗体が使用されている
8) 。 さらに、 各人種により各HLA型の出現頻度は、 著しく異なっており、 日本人に多い型判定には、 日本人由来の抗血清の使用が効率的である。 血清学で未公認抗原の命名法も時代とともに変遷している。 初期の頃は提唱者が“SN-2”とか“TOK1”とか“TS-1”とか“HR5”など自分の名前をイニシアライズして命名していた。 その後ひとつの抗原が“A26.1/A26.2/A26.3/A26.4”のようにいくつかに分かれるスプリット抗原の時代に移る。
 血清学的解析の独特の表現が分かりにくくしている。 「血清が長い=抗原が短い」、 「血清が短い=抗原が長い」 という表現である。 例を挙げて解説すると、 DR2抗原はDR15とDR16にスプリットする抗血清が存在する(図2)。 陽性反応の長さを血清でみるか抗原でみるかの違いである。 長い抗DR2血清で短いDR2抗原がタイプでき、 短いDR15血清で長いDR15抗原がタイプできる。 さらに抗DR15抗体とDR15抗原の反応が弱い(weak)場合はDR2抗原をDR2orDR15と判定し、 extraの反応がある場合はDR15抗原をDR2orDR15と判定する。
 現在のHLAの血清学的タイピングには、Paul.I.Terasaki等が開発した、 微量リンパ球細胞障害性試験(micro lymphocyte cytotoxicity test) が用いられている。 HLA タイピングに使用する抗血清あるいは一部モノクローナル抗体は、 数年に一度開催される国際組織適合性ワークショップ
(International Histocompatibilit Workshop) あるいは、 日本国内でのワークショップで特異性の確認を行ない、 同時に新抗原の確認等も行なっている
9) 10) 。 一番最近の国際ワークショップは1996年にフランスのSt.Maloで行なわれた。 次回は2001年開催が延期され2002年にアメリカの Seattle で開催される予定である11) 12)


3.DNA タイピング

 HLA遺伝子は、 高度な遺伝子多型を示しているため、 PCR(polymerase chain reaction) 法の開発当初より、 格好の解析対象とされ、 PCR法を用いた、 多型解析の殆どの方法が試みられてきた。 現在では、 方法が整理され、 1)PCR-SSO(sequence specific oligonucleotide) 法あるいは2)PCR-RFLP(restriction fragment length polymorphisms) 法が主体であり、 その他に3)PCR-SSP(sequence specific primer) 法、 4)SBT(sequencing based typing;直接シークエンス) 法等があり、 5)SSCP(single strand length polymorphism) 法は、 変異の検出等に用いられる。 多数の検体をこなすにはPCR-SSO法が適している
13) 。 SSO法では、 さらに DNA チップテクノロジーによるマイクロアレイが実用化段階に入り今後有用であると期待される。
 タイピングは末梢静脈血中の白血球から抽出したゲノムDNA(genomic DNA)を使用する。
PCR法によるDNAタイピングは、 未同定であった型や対立遺伝子の同定を促進し、 新たなHLA型、 HLA対立遺伝子(allele)の数も飛躍的に増加した。 HLA対立遺伝子の最新情報はインターネット上で公開されており以下の2つのホームページがある。
1) HLA Informatics Group
  http://www.anthonynolan.org.uk/HIG/
  Anthony Nolan Bone Marrow Trust が運営し Steven GE Marsh が主催している。
2) The IMGT/HLA Database
  http://www.ebi.ac.uk/imgt/hla/
  the international ImMunoGeneTics
(IMGT)projectの一部分であり、 the European Bioinformatics Instituteが運営している。
HLA 塩基配列のデーターベースに特化している。 James Robinson, Julia G Bodmer, Steven GE Marshにより献身的に行われている。


4.null対立遺伝子

 従来の血清学的タイピングでは、 反応する抗血清がなく、 「ブランク」 と分類されていた中には、 その後、 新たな抗血清が見い出され同定された HLA型がある。 HLA-C座抗原をはじめ各座で見られる14)
 一方で、 HLAハプロタイプ等から考えて、 抗原が存在するはずであるが、 血清学的には同定できない例がある。 特定座のHLA分子が形成されていない例であり、 これに対応する遺伝子は null alle(ヌル対立遺伝子)とよばれる。 HLA遺伝子自体の異常に基づくHLA分子の欠損症である。
 日本で発見された一例を示すと、 血清学的HLA型が A bl(ブランク)-B46-Cw1-DR8と判定された健康人が見い出された。 日本人のハプロタイプでは、 2.2%程度存在する A2-B46-Cw1-DR8が予測され、 A座抗原は存在するはずである。 家系調査も行われ、 A2-B46-Cw1-DR8のハプロタイプに含まれる血清学的HLA型A2はこの対立遺伝子ではA*0207であるはずであるが、 塩基配列の検討により、 第4エクソン内の843番目の塩基置換があり、 ストップコドンを示し蛋白を形成できなかったと報告されている
15) 。 この対立遺伝子は、 新たにA*0215Nと命名されている。 表2に示した null allele はいずれもこのような血清学的タイピングでの反応結果から発見されている。


おわりに

 HLAの型判定は、 血清学からPCR法によるDNAタイピングへ移行していき、 その際に多くの新しい型、 新しい対立遺伝子の発見があった。 しかしながら、 これは、 型判定に際して、 変則的な反応パターンを非特異反応と放置せず、 充分な解析を行なった結果である。
 HLA検査に限らず、 広くルーチン検査において、 異常値あるいは異例な反応を検討する価値があることを示していると考えられる。
日常検査においても、 心掛けて行く必要があると思われる。


文 献

1. 桑田昇治、 宮本光子、 十字猛夫:HLAタイピング. 新生化学実験講座12-U、 p.156-161、 日本生化学会編、 東京化学同人、 1991.
2. .Bodmer JG, et al:Nomenclature for factors of the HLA system, 1996.In : HLA : Genetic diversity of HLA Functional and medical implication, Vol. I, (ed by Charron D), pp. 254-256, EDK, Paris,1997.
3. Imanishi T, et al: Allele and haplotype frequencies for HLA and complement loci in various ethnic groups. In: HLA
1991, Vol. I (ed by Tsuji K et al), p.1065-1220, Oxford University Press,Oxford, 1992.
4. Tokunaga K, et al: Complement studies of the eleventh international histocompatibility workshop. In: HLA 1991, Vol. I (ed by Tsuji K et al), p.947-954 Oxford University Press,Oxford, 1992.
5. Villard J, et al. Mutation of RFXAP, a regulator of MHC class II genes, in primary MHC class II deficiency. N Engl J Med. 337: 748-753, 1997 .
6. Masternak K, et al. A gene encoding a novel RFX-associated transactivator is mutated in the majority of MHC class U deficiency patients. Nat Genet. 20: 273-277, 1998.
7. Furukawa H, et al: Splice acceptor site mutation of the transporter associated with antigen processing-1 gene in human bare lymphocyte syndrome. J Clin Invest 103:755-758, 1999.
8. 桑田昇治、 宮本光子、 十字猛夫:細胞障害性試験.新生化学実験講座12-III、 pp.63-68、 日本生化学会編、 東京化学同人、 1992
9. 桑田昇治:主要組織適合性抗原系欠損症.小児内科 29(増刊号): 1019-1024、 1997.
10. 桑田昇治:原発性免疫不全.日本臨床別冊領域別症候群シリーズ17腎臓症候群(下)、
pp.326-328、  日本臨床社、 1997.
11. 桑田昇治:白血球同種抗原に関する分子生物学的研究.
日本臨床 55: 2228-2233、 1997.
12. 桑田昇治、 十字猛夫:移植免疫.臨床アレルギー学 改訂第2版、 pp.66-76、 宮本昭正 監修南江堂、 1998.
13. 桑田昇治:免疫学的検査 HLA-DNAタイピング.日本臨床増刊
広範囲血液・尿化学検査免疫学的検査3 57:
698-704、 1999.
14. 桑田昇治:免疫学的検査 HLA抗原血清学的検査法
日本臨床増刊 広範囲血液・尿化学検査免疫学的検査 3 57:686-692、 1999.
15. Ishikawa Y, et al. HLA-A null allele
with a stop codon, HLA-A*0215N,
identified in a homozygous state in a
healthy adult. Immunogenetics. 43:1-5,
1996;

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研   究
日本臨床化学会尿酸測定勧告法における
  除蛋白操作での回収率誤差の確認
藤原恵子1)  真々田賢司1)  伊藤順子1)
大澤 進
1)  野村文夫1) 2)
1) 千葉大学医学部附属病院 検査部
2) 千葉大学医学部 臨床検査医学講座


Key words:尿酸、 JSCC勧告法、 HPLC法

【はじめに】
 日本臨床化学会 (JSCC) 血清尿酸測定勧告法 (勧告法)1) は、 測定試料を過塩素酸で除蛋白した後、 高速液体クロマトグラフ (HPLC) を用いて測定するUV検出法である。 JSCC勧告法は、 HPLC装置を必要とするため限られた施設でしか実施することが出来ない。 しかし、 HPLC 装置を所有しない施設でも日常法の正確さを評価できるよう、 福祉・医療技術振興会 (HECTEF) より認証標準血清が供給されている。 そのHECTEFの含窒素・グルコース標準血清 CRM GN 1の認証書によると、 勧告法の前処理において未回収部分が4%あると指摘されている。 そこで、 今回勧告法の未回収部分を検証するため添加回収試験による検討を行い、 若干の知見を得たので報告する。

【機器と試薬】

1) 勧告法  HPLC装置は、 島津製作所製LC-6Aシステムを使用した。 カラムは、 野村化学のODS-HG-5 (ODSカラム) を用いた。 移動相は、 勧告法に従い作成したメタ ノールを含むリン酸緩衝液で、 流速1.0ml/minとした。 そして尿酸のピークが5-10分で溶出するよう、 メタノール含量を12%に調節した。 除蛋白上清試料100μlを注入し、 ループカット方式で50μlをカラムに導入し、 溶出してきた尿酸を波長284nmで検出した。
2) 比較対照法  除蛋白を行わない対照法として、 当院日常検査法のUricase-POD法 (セロテックUA-L) を用いた。 測定機器は、 日立7600形自動分析装置を用い測定パラメーターはメーカー指定のものを用いた。

【方法】

1.勧告法の検体前処理方法
   勧告法に従って図1に示した手順で行った。

>図1 JSCC血清尿酸測定勧告法による検体前処理法


2.検討方法
   プール血清9容に対し、 尿酸標準液を1容加え添加回収試験を行い回収率を求めた。 添加尿酸標準液の濃度は30、 40そして60mg   /dlで、 添加終濃度はそれぞれ3.0、 4.0、 6.0mg/dlとなるように調製した。 また、 同様の操作を蛋白量の異なる新鮮患者血   清10試料について行い、 回収率を求めた。 添加尿酸標準液の濃度は40mg/dlを用いた。
   以上の添加試料と、 血清9容に対し精製水を1容加えた無添加試料をHPLC法および対照法の両法で測定した。


【結果】

1) 添加尿酸濃度と回収率
 プール血清に3濃度の標準液を添加して2法で求めた回収率を表1に示した。 対照法がほぼ100%回収できたのに対し、 JSCC勧告法は94.7〜97.2%であった。 また尿酸濃度と回収率に関係は認められなかった。
2) 蛋白濃度と回収率
 新鮮患者血清10試料に尿酸標準液を添加して2法で求めた回収率を表2に示した。 JSCC勧告法の回収率は95〜98%で平均96.4%となり、 タンパク濃度と回収率に関係は認められなかった。
3) Uricase-POD法 (比較対照法) とJSCC勧告法の関係
 63検体の患者血清を用いてUricase-POD法と JSCC勧告法の相関を求めた結果、 相関係数r=0.982、 回帰直線y=0.959x+0.082となり、 4%の負の比例系統誤差を認めた (図2-a)。 またJSCC勧告法の尿酸測定値に4%の正の補正を行い、 その補正した値とUricase-POD法の相関を求めると、 r=0.982、 y=1.00x+0.009となり、 両測定法の値が一致した (図2-b)。

図2 JSCC勧告法と Uricase-POD 法の測定値の比較


【考察】

 JSCC 血清尿酸測定勧告法は、 過塩素酸で除蛋白した後、 HPLCを用いて測定する方法である。 HPLC で尿酸を測定する場合、 蛋白を除去する必要があるが、 除蛋白操作では目的とする成分も沈澱してしまうおそれがある。 また、 測定に影響を及ぼさない除蛋白剤を選択する必要がある。 勧告法では、 化学的測定法で繁用されていたトリクロロ酢酸や Folin-wo 法で用いられるタングステン酸ナトリウムなど、 6種の除蛋白剤で比較した結果、 過塩素酸が選択された2)。 これは尿酸のピーク付近に近接する妨害ピークがみられず、 安定したベースラインが得られることを最優先したもので、 JSCC が1993年12月に公表した解説書では、 [2-14C] 尿酸ヒト血清を過塩素酸で除蛋白し、 [2-14C] 尿酸の回収率を求めたとき、 平均98.5%となったと報告されている1)。 一方 HECTEF は、 勧告法の回収率を NIST SRM 909b の認証値と勧告法での測定値とのバイアスから推測して96%としている。 回収率誤差があることは明らかだが、 報告にばらつきがみられた。 今回の検討では、 JSCC勧告法は添加回収試験の際、 約4%の未回収部分が認められた。 すなわち、 JSCC 勧告法の回収率は約96%となり、 これはHECTEFの指摘を裏付ける結果であった。 NIST SRM 909b の認証値は同位体希釈質量分析法 (ID-MS法) で値付けされている3)。 ID-MS 法は現在最も信頼性のある測定法であることから、 未回収部分が約4%であるという結果は妥当と言える。
 千葉県衛生臨床検査技師会 (千臨技) の行った精度管理調査では、 平成9年度までは HPLC を用いて直接値付けをしていたが、 平成10年度よりHECTEFの標準血清を用い、 認証書に表示された標準値を使用するようになった。 この平成10年度は目標値が高値となり、 結果として各施設の測定値は低値傾向を示したと報告された
4)。 HECTEFはJSCC勧告法の回収率を96%として、 その差異を補正して認証値としている。 今回の検討では図2に示したように4%の補正を加えることで、 JSCC 測定値は添加回収試験でほぼ100%回収できた対照法と測定値が一致した。 千臨技より報告された精度管理調査における各施設の測定結果での低値傾向の原因は、 各施設で用いている試薬メーカー添付の検量用標準物質が回収率誤差を考慮せずにに値付けされていることや、 日常法の補正が正確にできていない可能性などが考えられる。


【結語】

今回の検討でJSCC尿酸測定勧告法の前処理において、 未回収部分が4%あることが確認された。 そのため、 JSCC 尿酸測定勧告法を用いて信頼性のある値を得るには、 回収率の誤差を補正する必要があると思われる。 また、 勧告法にこの点の注意を追記する必要があると考える。


文献

1) 日本臨床化学会試薬専門委員会:HPLCを用いる血清尿酸測定勧告法. 臨床化学. 22. 300-307. 1993.
2) 日本臨床化学会関東支部試薬委員会 仁科甫啓 大澤 進:HPLCによる血清尿酸測定の実用基準法T 基礎的検討.
  第8回臨床化学夏期セミナー資料集. 139-142. 1988.
3) 梅本雅夫:NISTおよびIRMM(BCR)が供給している標準物質 (臨床検査関連). 臨床検査. 41. 1620-1624. 1997.
4) 社団法人 千葉県臨床衛生検査技師会:平成10年度 (第4回) 千葉県臨床衛生検査技師会 精度管理報告書. 82 - 87. 1999.

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資   料
なぜいま 「チーム医療を考える」 講習会なのか

(社) 千葉県臨床衛生検査技師会

渉外担当 副会長 才 藤 純 一


 現在、 21世紀の医療を目指して医療改革が非常な勢いで行われ、 クリニカルパスウエイと言うことが叫ばれています。 今までコメディカルの中で我々臨床検査技師は検査を行い、 薬剤師は薬を出し、 放射線技師はX線撮影といったように完全に分業であったわけです。 しかしこれからの医療は医療に従事する者全員が患者さんの病態を理解して、 患者さん中心の 「チーム医療」 を行うことが望まれています。 我々の医療を取り巻く環境は大きく変化し、 すでに 「チーム医療」 をなくしては、 臨床検査技師の職域も成り立たない厳しい状況が起こって来ています。
 しかし、 臨床検査技師は長い年月の間、 検査を通して検査データーを患者情報として造る事のみに専念し、 この 「チーム医療」 の考えを学ぶことを大多数の検査技師は経験していないのが現状ではないでしょうか。 採血という業務一つをとっても、 検査の根本を考えると検査業務の範疇であって、 決して他の職種の人達が患者から採血する 「検体の重さ」 というものを完全に理解できるとは思えません。 これは検査技師だからこそ、 今まで培った知識、 経験によって理解でき、 採血業務が患者のためになるデーターにつながっていくと思う事が出来るのです。 その事はすなわち臨床検査技師に 「チーム医療」 としての大きな源流があることを確信させます。
 我々にとって来る21世紀は 「チーム医療」 を原点として検査データーを造る時代から標準化されたデーターを維持管理していかなければならない新しい時代です。 今まで、 技師会は学術団体としての誇りを持って、 研究班活動や学会活動を行ってきました。 一方では職能団体として、 行政機関に対し我々の意見、 要望等を主張してきました。 しかし、 ある程度の成果はあげたものの、 規制緩和の時代においそれとその進展は望めそうにないのが現状です。
 そこで当技師会としては、 この様な時代であるからこそ、 一人一人が自らを鼓舞しこの 「チーム医療」 を考え、 それに基づいて行動を起こし、 さらに我々臨床検査技師が広く社会に浸透し、 職能としての揺るぎのないものになっていく大きなチャンスが今訪れていると考え、 今年度より 「チーム医療を考える」 をテーマとして講習会を企画するに至りました。 どうか各会員のみなさま方も、 本趣旨を御理解いただき、 多数の方々に参加していただけますよう、 お願いいたします。

第1回 「チーム医療を考える」 講習会風景





資   料
千葉県検査値統一化事業の経過報告

(社) 千葉県臨床衛生検査技師会

千葉県検査値統一化委員会 梅 宮 敏 文


 初秋の候、 会員の皆様におかれましては、 ますますご健勝のことと存じます。 さて、 ご承知の通り、 今年4月より千葉県検査値統一化事業が本格的にスタートして4ヶ月経過いたしました。 会員の皆様のご理解とご協力をいただき、 現在、 県内65施設でチリトロール2000を使用していただいています。 また、 参加施設より検査値統一化についてのご意見やご要望等が委員会によせられておりますので、 4月から今日現在までの千葉県検査値統一化事業の経過報告をさせていただきます。
 精度管理試料 「チリトロール2000」 は、 人血清をベースにリコンビナント酵素・CRPを添加して、 可能な項目は中濃度異常域になるよう調整した凍結乾燥試料であります。 現在までのところ、 設定した認証値に対して特に酵素項目のALT・ALPに緩やかな測定値低下傾向が確認されているため、 10月頃認証値の見直しを実施する予定です。 また、 現在各施設の月間平均値を集計し、 メーカーによる反応性やドライケミストリー機器での挙動についても解析中です。 基幹病院8施設は、 本試料を毎日溶解して経日変化を観察しており、 精密度および正確度の継続監視に努めています。
 今年5月に県内4カ所で実施いたしました検査値統一化説明会では、 多くの施設の参加を頂きました。 参加した施設からは、 「JSCC法への変更を臨床側へもっと説得できる説明文がほしい」、 あるいは、 「暫定基準範囲に福岡県五病院会で求められたものを引用にしている項目があるため、 その検証を行ってほしい」 などの意見が寄せられました。 また、 「チリトロール2000」 のALPやCKに溶解個人差が確認されております。 委員会としましては、 これらの問題点を迅速に改善する方向で動いており、 千臨技ホームページを利用して随時、 最新情報を公開していきます。
 今後は、 県内において比較的採用率の低かったALP・LD・γ−GTのJSCC法への変更も、 本事業推進後着実に増加していることを踏まえて、 JSCC法の普及とデータ集積を行い、 県内の検査値統一化をより進めるとともに、 全国と協力して全国的な検査値統一化を目指して行きたいと思います。
 最後となりますが、 本事業は10月幕張メッセで開催される第37回関東甲信地区医学検査学会の記念事業となっており、 本学会ではシンポジウム 「学会記念事業」 −検査値統一化−で 「千葉県における検査値統一化の実践と経緯」 について報告いたします。 また、 第37回関東甲信地区医学検査学会参加も併せてお願い申し上げます。
検査値統一化説明会





施設紹介


安 房 医 師 会 病 院


 梅雨時まっただ中の6月下旬、 雨の合間を縫って、 新しくなったばかりの安房医師会病院を訪ねました。 10年前に技師長シリーズでお伺いしたことがありましたが、 今回はリニューアルしたということで、 元千臨技会長の高橋金雄事務部長と瀬戸秀子検査課長のお二人に主にお話を伺いました。
 現在の安房医師会病院はJR館山駅よりバスで約10分の国道128号線沿いに位置していました (昔の病院より駅から少し遠くなりました)。 6月1日に開設したばかりの真新しい褐色の建物で、 地下1階地上6階、 11の診療科と149床の病床数で、 医師会・地域産業保健センター・在宅介護支援センター・訪問看護ステーション・ヘルパーステーションを併設しており、 地域における総合医療センターという雰囲気でした。 敷地内には花壇がきれいに整備されており、 また館内には大きな絵画が掛けられているなど、 何れも地域住民によるボランティアや寄付によるということで、 この病院に対する地域の関心の高さが伺われました。
 安房医師会病院は昭和39年6月1日に設立されて以来、 地域医療の中核病院として以下の理念をもとに運営されてきました。 その理念とは、 「医師会会員の診療活動を支援する後方病院として、 会員の創意により設立され、 運営される。 そして会員の開放性型共同利用を通じて地域医療に奉仕し、 又、 健康管理事業を通じ健康増進に尽力する。」 とされていました。 下記に医師会病院のパンフレットの一部分をご紹介します。 このように基本的にはかかりつけ医の紹介で受診するようになっており、 直接受診はできません (緊急を要する場合は例外です)。 あくまで会員である医師が、 診療している患者に対して高度な専門の治療や検査を必要とするときに利用される施設であり、 患者は必要な医療を受けた後、 かかりつけ医にスムーズに戻り、 また必要な検査結果等は全て共有できるとの事でした。 このことは効率の良い適切な医療と言う意味で最大限の効力を発揮していると思われました。 実際に医師会病院での平均入院日数は15日程度で、 療養型の医療機関ではないことを物語っていました。

医療制度では、医療機関の役割分担が求められており、安房医師会病院はかかりつけ医や地域内の病院と連携のもとで運営されております。

@体の具合が悪いときは、先ずかかりつけ医(医院・診療所)で診療を受けて下さい。

A専門外来治療・入院治療・専門検査を必要とする患者さんは、かかりつけ医の紹介で安房医師会病院へおいで下さい。

B更に高度特殊医療が必要な場合は、特定機能病院等(大学病院等)をご紹介いたします。


 次に検査業務についてお話を伺いました。 検査室は組織的には地域医療部の受託検査課に属し、 検体検査部門は建物の2階に位置していました。 人員は病理・細胞診3名、 血液3名、 化学4名、 免疫・輸血1名、 生理1名、 一般2名、 細菌1名、 事務1名、 洗浄1名の計15名の臨床検査技師と2名の職員で運営されていました。 検体の検査業務は院内の検査と近隣の医療機関からの受託検査がほぼ同数で、 一般病院と検査センターの両業務を行っているということした。 受託検査の結果は翌日報告で、 また現在、 院内の検査については緊急検査はFAXで、 通常のものは報告書で結果を報告していますが、 7月からはイントラネットを利用した報告形態に変更していくということでした。 時間外・救急体制の対応として、 病院全体は新病院になってから24時間体制を実施し (住民運動による要請に応える形として)、 検査室としては22:00までは院内待機、 それ以降はポケットベル待機の体制がとられていました。 実際にはよく呼び出されるため、 現在は宿直も考慮して調査検討中とのことでした。 実施項目は多岐 (生化学、 血算、 交差試験、 尿一般・沈渣、 心電図、 細菌検査検体処理) に渡るため全員が基本的なことは全てできるように訓練しているとのことでした。 このことを考慮して、 通常業務のローテーションも年1回程度行い、 エキスパートよりオールマイティーを養成していくという方針でした。 検査室はこの他にも1階に生理部門の検査室があり、 2階に人間ドックのための診察・検査の設備が独立して準備されていました。 ここには、 腹部エコーを検査するための準備もあり、 技師を派遣しているとのことでした。 特にこの人間ドック部門は赤い絨毯が敷き詰められ、 広々としたラウンジを備え、 そこからは隣接したゴルフ練習場が望めるなど豪華なホテルのような趣がありました。 この人間ドックは病院内に宿泊するコースもありますが、 近隣の豪華ホテルに宿泊して安房医師会病院で検査を行うVIPコースも有るとのことで、 何ともうらやましい限りでした。
 そしてこの病院の一番の特徴であります住民検診についても伺いました。 検診は4月から12月までの9ヶ月間で火曜日から金曜日までの4日間を中心にほぼ毎週行われていました。 検診にも種々ありますが、 胸部X線、 検尿、 身長・体重・血圧測定、 問診、 採血、 眼底検査、 心電図、 健康相談、 胃X線などを行う総合検診は検査技師4名 (職員2名+専属パート2名) を含む総勢35〜40名で行われていました。 検査技師の業務は、 検尿、 採血、 眼底検査、 心電図の4種を担当しているそうです。 拘束時間は朝6時から11時頃までで、 その間は先に説明した病院内技師数は2名の減数のまま業務を行うことになるわけです。 この後、 検診で採血した検体の検査が院内で開始されます。
 このように安房医師会病院では少人数で、 院内検査業務、 受託検体検査業務、 人間ドック検査業務、 検診業務、 救急検査業務などの各種の業務を基本的には全員が実施できることを目指して、 効率よく仕事をこなしていらっしゃいました。 お話の最後に新病院になっての今後の抱負をお聞きしたところ、 現在、 亀田総合病院へ心エコーの研修に派遣し超音波検査の充実をはかるなど、 更なる臨床への支援を構想中であるとの事でした。
 安房医師会病院は職員全員が患者・住民へのサービス精神に溢れ、 診療設備もCTやMRI装置をはじめとしてかなり充実し、 また備蓄庫をはじめとしてヘリポート (予定) などを整備した災害拠点病院としても指定されており、 地域中核病院としての機能を充分に発揮している様子が伺えました。
 最後に、 お忙しい中お話を聞かせてくださいました高橋事務部長、 瀬戸課長、 白幡室長、 快く見学させてくださいましたスタッフの皆様方、 ありがとうございました。

安房医師会病院:TEL 0470-25-5111
http:www.awa.or.jp/home/isikai
【千臨技編集委員】
 :吉田俊彦 (千葉大学医学部附属病院)
  清宮正徳 (千葉大学医学部附属病院)













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