「み て=勉強会の現場で起きていることをみてみると」
「見 て=発表の失敗理由を分析して見てみると」
「診よう=発表者の話を聞いてもらうための手順を診よう」

千臨技会誌 2009 No.3 通巻107

みて見て診よう 勉強会の発表(プレゼンテーション)を, 
みて,見て,診よう(3)
旭中央病院 中央検査科
関 根 智 紀
施設訪問 国保松戸病院    
研究班紹介 生理検査研究班 班長 小張総合病院
中 野 英 貴



みて見て診よう!
勉強会の発表(プレゼンテーション)を, 
みて,見て,診よう(3)
旭中央病院 中央検査科
関 根 智 紀

1.はじめに
 「みて,見て,診よう」は,これまで超音波検査における@消化管の超音波検査,A超音波スクリーニング,について述べてみた.今回は,超音波検査に限ったものとせず,現代人の生活用語となって広く浸透している“プレゼンテーション”について考えてみたい.このプレゼンテーションはプレゼンと略して用いられ,我々検査技師にとっても職場の勉強会で接することも多く,その出来具合によっては勉強が楽しくもつまらなくもなる.自分が中央検査部で勉強会の発表者になったとき,この勉強会を成功させることができるかどうかの力量は,その後の業務展開そして成長を支えるアイテムにもなる.アイテムなら上手に展開したいので,ここではあえて上手くいかない発表を例にとり,上手くいくようにするために「みて,見て,診よう」として分析し考えてみたい.
 プレゼンテーションの作成と運用法は,専門書が数多く出版されているので,ここでは勉強会の発表の入り口で素朴に悩む内容を「みて,見て,診よう」で分析するのが目的である.


発表を,みて,見て,診よう,で区分する】
 勉強会での発表を「みて,見て,診よう」で区分してみると,「みて=勉強会の現場で起きていることをみてみると」,「見て=発表の失敗理由を分析して見てみると」,「診よう=発表者すなわちあなたの話を聞いてもらうための手順を診よう」のようになる(表1).


表1 勉強会の発表を「みて,見て,診よう」で区分する
「み て=勉強会の現場で起きていることをみてみると」

「見 て=発表の失敗理由を分析して見てみると」

「診よう=発表者の話を聞いてもらうための手順を診よう」

 なお,プレゼンテーション・プレゼンター・受講者というと大げさになるため,ここでは勉強会の発表・発表者・職場スタッフという名称に当てはめて話を進める.


【発表者に求めるもの】

 勉強会の発表が成功するには,その目的とゴールそして到達指標が明確でなくてはならない.そのための「コツ」とは,@職場スタッフがあなたの発表を「聞く理由」がはっきりしていること,A職場スタッフにとって新鮮な情報すなわち新しいことを伝える,B把握しやすいスクリーンを提示する,などである(表2).


表2 発表が成功するコツ

@発表を「聞く理由」を明確にする.

A職場スタッフにとって,新しいこと,を話すようにする.

B把握しやすいスクリーンを提示する.


【みて:勉強会の現場で起きていること】

 勉強会の発表の現場で日常的に起きていることをみてみると,発表者の話が早すぎてスライド内容を書き留めたいのに間に合わない.途中から,隅っこのほうでひそひそ話がはじまる.居眠りを必死でこらえている人がいる.時間がないのでスライドを割愛しますと飛ばされる.終了時刻を過ぎても全く終わる気配がない.やたらみんなの前で偉ぶって質問してくる,などがあげられる(表3).


表3 勉強会の発表の現場で起きていること
@職場スタッフはスクリーンのスライド文字を読むのが精一杯で,話を聞け
 ていない

A職場スタッフはスライドを書き留めるのが精一杯で,話を聞いていない

B隅っこのほうでは,ひそひそ話がはじまる

C前席のほうにいる関係者も居眠りを必死でこらえている

Dまだ半分も過ぎていないのに退席する人が出てくる

E時間がありませんので割愛します.と言って途中の大事そうなスライドを
 飛ばす

F終了時刻を過ぎたので,大切な結論を早口で終わらせる

G終了時刻を過ぎても全く終わる気配がない

Hやたら横文字英語を多用し,自分の自慢話をする

I質問してくる

 「ある,ある,そうなんだよ」と笑える人は幸せです.多くの職場スタッフには笑顔がなく疲れきった表情で勉強会場を後にし,「何が言いたかったんだろう?,どうしたいの?,私達はどうればいいの?」とささやく声が聞こえたりします.


【見て:発表の失敗理由を分析して見て】

 勉強会の発表で失敗する理由には,勉強会のテーマは良いのに話の内容がつまらない,話の流れが理解できない,話のネタや事例が古い,発表者が緊張して自分自身を伝えることができない,など多くのものがあげられます(表4).また,出席していただいた職場スタッフに対して,発表者が忙しいと言う理由で,昨日一晩でなんとか作ったよ,前の勉強会のものをちょっと直しただけ,忙しく準備できなかったよ,なんて言われると聞くほうの気持ちも低下します.でも,これらは根本的に失敗する理由ではなく,逆に勉強会の発表を成功させるコツである@聞く理由,A新しい情報,Bみやすいスクリーン,が足りないからです.


表4 勉強会の発表の失敗理由を分析して見てみると
@勉強会のテーマは良いのに話の内容がつまらない.

A話の流れが理解できない

B話のネタが古く,用いている事例が古い.

C発表者が緊張して,自分自身を伝えることができない.

D発表者は下を向いて発表原稿の朗読会,職場スタッフをみていない

E面白い話ができない.ギャグがスベってリカバーできない.

F声が低くて暗い.口がうまく回らない.発音が聞き取りにくい.

注)でも,これらは失敗する根本的な理由ではありません.
 

【診よう:あなたの話を聞いてもらうための手順を診よう】
1.耳から入る情報と目から入る情報を一致させる
 これだけのことで,あなたの発表は格段に良くなります.以前から,左脳と右脳の関係が知られています.話し言葉は左脳が言語処理を担当し,スクリーンに映った画像情報は右脳が処理をします.この2つの情報,すなわち発表者の話し言葉とスクリーンに映った画像情報が一致していれば,職場スタッフは同じ画像を見れば発表者の話を,同じ話を聞けばその画像情報を頭に浮かべることができ理解が可能です(図1).

図1 耳から入る情報と目から入る情報を一致

2.なぜ,スクリーンに映る長いテキスト文字はダメなのか
 スクリーンに映るものは右脳が担当するスクリーン情報ですが,長いテキスト文字の場合には読み始めてしまい左脳での言語処理に切り替わります.しかし,発表者からの話が左脳で処理されているなかで,発表者の話の進行と職場スタッフが読んでいる長いテキストが一致することはありません.そして,両方を処理しようとして左脳は疲れ果て睡眠を要求してきます.片方の処理はされない,あるいは発表者の話を聞かないのではなく聞けない,これによりそのまま捨てられています.スクリーンのテキスト文字は数行程度とし一瞬で読んでもらって,後は発表者のほうへ集中させる必要があります(図2.3).

図2 発表者の話と一致しにくい長いテキスト情報


3.グラフやチャートが良いわけは

 グラフやチャートには多くの情報が含まれ,職場スタッフは眺めながら発表者が話そうとしていることがどこにあるかを考えます.発表者が適切な言葉で,グラフやチャートをもとに考え方と見方を述べると,職場スタッフは発表者が伝えたいことを自分の力で聞き取り理解します.職場スタッフは自ら理解と納得を得て,同時に全員が同じ理解を共有できるので非常に有効な発表となります.ただし,一つだけ注意が必要で,発表者がグラフやチャートにない話題を提供すると,職場スタッフは目から入ってきているグラフ・チャート情報と聞いている話が不一致になりパニックを生じます.


図3 発表者の話が聞きやすいスクリーン情報


4.なぜ,簡潔にするのか
 スクリーンの画像情報が多すぎると,発表者の話と職場スタッフが聞き取れる情報に差異が生じ始め同じ理解と情報共有が困難となります.発表者は情報を確実に伝え,職場スタッフは確実に情報を受け止めるためには簡潔が最適です.発表者はスクリーンのどこを見てほしいかを確実に職場スタッフに伝え注目点をコントロールします.そうすることで発表者の話は完全に理解されるはずです.


5.コミュニケーション増幅の発表方程式
 発表の組み立てには方程式があります.職場スタッフを理解させ,納得させ,相手がやりたいと思う提案をし,行動決断を促進する提示のもと,感動させる.発表はこの視点のもとで組み立てれば良いのです(表5).


表5 発表の組み立て方程式
発表の目標=発表の基本×(現場スタッフの理解+納得)×(職場スタッフのやりたいと思う提案と行動決断)+笑顔+感動


 笑顔は,お互いのコミュニケーションを増幅します.もちろん発表は真剣勝負ですが,お互いのコミュニケーションの場そして時間にもなります.ゆえに,その増幅のためには笑顔が大切です.職場スタッフからの笑顔がほしいなら,まず発表者が笑顔で接するミラーリングが必要となります.感動は,職場スタッフが知らないことを知った,考えていないことを考えさせられたという,知的好奇心を満たされることで生まれます.重要性もリスクも相手にとってそれが新しいことか,そうでないかを考えて伝えましょう.すべては職場スタッフの知的好奇心を満たして初めて心で伝わるのです.



【まとめ】

 勉強会で発表者が良い発表をすれば,職場スタッフはそれを見ながら,発表者から聞いた話を再現し,自分の言葉で話せるようになり,双方に笑顔が生まれます.
 発表には決まった形はありません.3つのコツ(聞く理由・新しいこと・把握しやすいスクリーン)だけ押さえたら自信を持って進みましょう.


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施設訪問
国保松戸市立病院

 今回は7月6日に,国保松戸市立病院を訪問させていただきました.
 病院は千葉県北西部に位置しており,東葛北部医療圏の第3次救命救急医療を担う地域中核病院です.病院の歴史は昭和25年に遡ります.今の地に病院が出来たのは昭和42年のことです.現在では診療科23科,病床数615床を擁しています.

病 院 全 景

<臨床検査科>
 臨床検査科は正職員技師30名,非常勤技師9名,事務職員2名,採血受付,検体受付業務を行うSRL職員4名の人員で構成されています.それぞれの検査室への人員配置は,午前と午後で配置をかえて業務の省力化・効率化を図っています.
 さっそく見学していきましょう.正面玄関を入り,左側の外来通路をぬけると,採尿室に併設された一般検査室がありました.患者さんが採尿室で採った尿はガラス越しにこちらに提出されます.一般検査室には4名の技師が配置されていました.尿定性検査は約250本/日が提出されAX-4030(アークレイ)で測定します.このうち150〜200本に尿沈渣検査があり,こちらはすべて目視鏡検法にて行われていました.またこの検査室は,夜間・休日は緊急検査室としての機能が備わっていました.緊急検査については後述します.

一般検査室のみなさん

 採尿室の先に中央採血室があります.約10年前まで各診療科で行っていた採血を,中央化したのを機に2名の技師と2名の看護師で採血業務を行うようになったそうです.また受付業務や伝票記入を行うSRL職員2名が配置されています.業務は朝8時30分から開始され,4台の採血テーブルがあり,採血患者数は270〜330人/日,待ち時間は最大15分ほどです.なお入院患者の採血業務は行っていないとのことでした.

採血疑似体験中の平田編集委員長

 採血室の先には左右に生理検査部門があります.それぞれのモダリティごとに部屋が分かれており,心臓超音波検査3名,腹部領域超音波検査士3名を含む腹部超音波検査5名,心電図・トレッドミル・脳波・聴力・平衡感覚・筋電図検査には6名(午後7名)が配置されています.心電図の波形は情報システムに接続されており,電子カルテで閲覧できるそうです.訪問した時は入院患者の出張検査や検査中のところが多く,残念ながら詳しく見学できませんでしたが,ラジオ波焼灼療法や造影エコー検査時の機器の操作にも参加しているとのことでした.

腹部超音波検査室のみなさん

心臓超音波検査室にて

 次に地下1階にある検体検査部門を見学しました.エレベータを降りると近くに血清・輸血検査室があります.ここには輸血認定技師2名を含む3名,医局所属の認定技師1名が配置されています.毎週土曜日は日勤帯に1名が出勤して製剤の入出庫の業務を行っています.ルーチンの血液型検査とクロスマッチはAuto Vue System(Ortho)によって行われており,クロスマッチは30件/日ほどの検査が行われているとのことです.また血液製剤照射装置があり,15Gyの照射が行われたかを確認するために1製剤に1枚の線量マーカーを使用しているとのことでした.

輸血検査室のみなさん

 少し奥に進むと3区画ほどの大きな部屋があります.手前は検体受付を行う場所です.採血室で採られた検体はこちらに搬送されてきます.ここにはSRL職員2名が配置されており,検体受付や外注検査の申込書作成作業などが行われています.
 その隣は血液検査室です.ここには認定血液検査技師1名を含む6名が配置されています.多項目血球分類装置はXE-5000とSP-1000(シスメックス)を搬送接続したものがメインに稼働しており,これ以外にもXT-2000i(同),KX-21N(同),血液凝固測定装置CA-6000(同),CA-1500(同)がありました.血球算定検査の検体数は約450本/日,骨髄像検査が40件/月くらいあるそうです.このうち半分に血液像があり,150枚ほどが目視鏡検になるそうです.見学時は血小板凝集能の分析装置のデモンストレーションが行われていて,みなさん熱心に聞き入っていました.

血液検査室のみなさん

 隣は生化学検査室です.ここには5名(午後3名)が配置されています.生化学分析装置には,TBA-200FR(東芝メディカルシステムズ),免疫生化学分析装置にARCHITECT Ci8200(Abott Japan),AXSYM(同)が稼働していました.血糖検査のADAMS Glucose GA-1170(アークレイ)とHbA1c ADAMS A1C HA-8180(同)は搬送で接続されていました.生化学の検体数は約700本/日,血糖検査は約230本/日測定されるそうです.このうち至急検査(診察前検査)は6〜7割とのことです.生化学・感染症・腫瘍マーカー検査がある検体はCi8200に,生化学のみはTBA-200FRに分析を振り分けて迅速に報告できるように工夫されていました.
 臨床検査情報システムには「CLINILAN」(A&T)が導入されており,それぞれの分析装置と接続連携して業務の効率的な運用をサポートしていました.

ARCHITECT Ci8200で測定中

 廊下を進むと細菌検査室があります.こちらには4名(午後5名)が配置されています.前室は薄暗いのですが,蛍光染色法で抗酸菌塗抹検査を行っているためカーテンを閉めているとのことでした.同定・薬剤感受性測定装置はWalkAway 96 SI(シーメンス),血液培養装置BACTEC 9240(日本ベクトン・ディッキンソン)がありました.一般細菌検査の検体数は50〜70件/日,抗酸菌は10件/日とのことです.抗酸菌培養とPCR検査は外注です.安全キャビネット,安全フード付き遠心分離機,嫌気チャンバーなどの設備があります.

細菌検査室のみなさん

 前述の一般検査室は夜間・休日は緊急検査室となります.勤務体制は夜間1名,休日の昼間2名です.頻度は月2・3回とのことです.夜間勤務する者は16時30分に出勤し,翌朝は9時までの勤務です.日・当直勤務した者は代休がもらえるそうです.
 生化学検査にはTBA-200FR(東芝メディカルシステムズ)とGA05(A&T)で23項目が測定されていました.血球算定検査にはKX-21N(シスメックス),ほかに血液ガス分析装置,尿定性簡易分析機がありました.尿は沈査も行っているそうです.夜勤時に提出される検体数は合わせて約100本です.また救急外来や一般病棟の心電図検査も行っています.輸血検査もこちらで行われます.血液型・クロスマッチは用手法で行い,薬剤部の方と払い出しの確認をしているとのことでした.午前2時頃までは結構検体が提出されるそうです.

緊急検査室のTBA-200FR

 さらに検査科から出向して,産婦人科で体外受精療法を行う技師が1名配置されています.主な業務は2つあります.1つは体外受精あるいは不妊のコーディネーターとしての役割です.体外受精の方法・費用・副作用・成功率など,治療を希望する夫婦に説明します.もう1つは採卵した卵子を扱う技術者としての役割です.この者を“エンブリオロジスト”というそうです.エンブリオロジストは卵の培養・顕微授精・受精卵の凍結・融解などを行います.また不成功例のケアーや成功例のフォローも大きな役割です.今回は体外受精室で顕微授精の様子を見学させていただきました.

顕微授精装置を操作中

<病院病理科>
 続いて道を挟んで向かい側の臨床研究棟にある病理検査科を訪問しました.病院病理科は常勤医2名,非常勤医2名,検査技師6名です.組織診5,000件/年,細胞診7,000件/年,剖検は約20例/年とのことです.病理・細胞診検査業務支援システム「PathWindow」(松浪硝子)が導入され,業務の効率化が図られていました.また透過型と走査型電子顕微鏡がありました.透過型では腎生検を70件/年ほど検索しています.走査型は血液細胞表面の観察等に使用しているそうです.

病院病理科のみなさん

 臨床検査科大沢技師長にお話を伺いました.「検査科では糖尿病指導療養士,感染対策チーム(ICT)や栄養サポートチーム(NST)の一員として積極的に病院内の他部門スタッフとの連携や活動をしています」「また当院は将来東松戸駅西側に移転,新築する計画があります」「新病院が出来ましたら,また訪問してください」とのことでした.新病院が完成しましたら,是非訪問させてください.

臨床検査科 大沢真知子技師長

 最後に我々のためにお忙しい中,長時間にわたり取材にご協力いただいた臨床検査科 大沢真知子技師長,前原信武副技師長,並びに病院病理科 秋草文四郎部長,根本充弘技師長をはじめ多くのスタッフの皆様に深謝いたします.
                            (丸子孝之,櫻井三友紀,平田哲士)



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研究班紹介
生 理 検 査 研 究 班
班長 小張総合病院 
中 野 英 貴

 今回は生理検査研究班の紹介をさせて頂きます.現在班長を務めさせて頂いております小張総合病院中野英貴です.生理検査研究班員は8名であり,驚く事に平均年齢は34.2歳と大変若い?メンバーで構成されています(脂の乗った30代ばかりです).やや専門分野は超音波検査を担当されている研究班員が多いようですが,自ら積極的にさまざまな分野を勉強されている研究班員ばかりです.
 活動としましては,生活習慣病研修会を含め,年3回程度の研修会を千葉市で開催しています.開催が土曜日の午後という事もあり,毎回参加者は約60名程度と大変充実した研修会が開催できています.研修会内容については超音波検査の要望が多い中,ここ数年は,誘発筋電図検査や脳波検査の講演を必ず組み入れ,ちょっと難しい分野と思っている方も多いと思いますが,MCV,SCV検査などのハンズオン形式による講演を行うなど,大変分かり易い研修会が開催できていると思っております.このような成果が少し実り,フォトサーベイにおける誘発筋電図検査や,脳波検査の回答率,正解率のアップに繋がったと私自身感じております.
 しかし研修会の悩みも幾つかあり,一つとしては,他の研究班さんも同様かと思いますが,どこで開催するかという事です・・・.“会員の皆様が気軽に足を運べる研修会”と考えますと毎回千葉市で開催する事については,大きな課題が残る点であると感じます.今後は南総地区や銚子地区での開催も検討課題としたいと思っておりますが,会場費やアクセスの問題もあり,研究班員での慎重な検討が必要であると思います.色々な場所で研修会を開催する事により,今まで研修会に参加できなかった方々が参加でき,より良い交流の場になればと思います.
 もう一つの悩みは,講師の選出です.私自身班長でありながら他施設の方々とあまり交流が持てず,講師の選出には前任班長にお力添えを頂いている現状があります.そこで・・・自薦他薦は問いません,我こそは!という方,私達研究班員と一緒に研修会を盛り上げましょう.研修会に参加された際や,電話でも構いません,研修会の要望や今後行ってほしい内容などについて色々意見を頂けたらと思います.研究班員でなくても一緒に盛り上げて頂ける方がいらっしゃったら大歓迎です.よろしくお願い致します.
 今後の生理検査研究班の目標として,次年度は他研究班とのコラボ研修会を企画したいと思っております.同じ千葉県臨床検査技師会の会員として,研究班といった分野は問わず,私自身もそうですが,色々な勉強をしたいと思っている会員の方は数多くいらっしゃると思います.そのような中で他研究班の方々と交流を持ち,自分自身のスキルアップももちろんですが,臨床検査技師会を盛り上げていけたらと思います.

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