症例問題・解答

解答
4 大細胞神経内分泌癌
<細胞像>
きれいな背景に、充実性大型集塊~ロゼット様構造を示す小型集塊で腫瘍細胞が出現している。細胞は小型ではあるが核偏在傾向を示し、核クロマチンは微細顆粒状に濃染し、小型明瞭な核小体を数個認める。
<病理組織診断>
Lung carcinoma, large cell neuroendocrine carcinoma
<病理組織所見>
 地図状壊死巣を伴って胞巣状~腺腔構造を呈して増殖する異型細胞を認める。異型細胞は大型の核で核の多形性や豊富な淡明~淡好酸性細胞質を有している。細胞質はグリコーゲンを有している。免疫染色、特殊染色は以下の通り。
chromogranin(一部+),synaptophysin(-),CD56(一部+),CKHMW(-),CAM5.2(+),hCG(+),TTF-1(-),AFP(-) ,PAS(+)。
神経内分泌系マーカーが一部陽性であり、胞巣形成、胞巣の辺縁での柵状配列、ロゼット様構造を認め、胞巣の中心部に壊死を認める。large cell neuroendocrine carcinomaと診断する。
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固定後
固定後
HE染色  弱拡大
HE染色  強拡大
CGA
CD56
PAS
CKHMW
<鑑別診断>
 ロゼット様構造を示すことから扁平上皮癌は否定的。クロマチンの性状・Chromogranin(+)から神経内分泌系腫瘍を考え、腫瘍細胞の大きさ・細胞質の豊富さ・核小体の存在から小細胞癌と鑑別可能と考える。

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