症例問題・解答

解答
4 :多形癌
<細胞像>
腫瘍細胞は結合性が弱く、多数の単核および多核の巨細胞、紡錘細胞が散在する。核形不整、クロマチンの不均等分布を示し、核小体が目立つ腫瘍細胞である。
<病理組織診断>
多形癌
<病理組織所見>
肉眼像は、腫瘍の大きさ4.0x4.0x3.0cmでS2~S6にまたがり、中心に壊死を認め、境界は明瞭である。組織像は腫瘍全体の60%は乳頭状および管腔状の構造を形成する腺癌成分で占められ、残り40%の部分は紡錘細胞および巨細胞成分からなり、ビメンチン陽性、サイトケラチンが一部陽性を示した。また小細胞癌成分および異所性成分は認めなかった。
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肉眼像
HE染色  弱拡大
HE染色  強拡大
HE染色  強拡大
<鑑別診断>
肺癌取り扱い規約(第6版)によると多形癌は低分化な非小細胞癌であり、紡錘細胞あるいは巨細胞を含む扁平上皮癌、腺癌、大細胞癌、あるいは紡錘細胞と巨細胞のみからなる腫瘍で、紡錘あるいは巨細胞が少なくとも10%を占めると定義・解説されている。本症例の腫瘍捺印標本においても紡錘および巨細胞が多数認められ、多形癌を推定することは可能と考えられる。

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