第八回
  第四の習慣「Win−Winを考える」
企 画 社団法人千葉県臨床検査技師会
協 力
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
HRDソリューションBU コヴィーグループ

謙虚さは、たくさんの幸せを掴むことができる。

第一の習慣「主体性を発揮する」
第二の習慣「目的を持って始める」
第三の習慣「重要事項を優先する」

 個人が“依存から自立へ”至る過程がこの3つの習慣です。でも自立するのも容易なことではないようです。各習慣をクリアしなければ次の習慣には進めないからです。つまり、「目的を持って始める」ことが大切だと解っていても、自分が「主体性を発揮」できなければ、何かを始めることすら出来ません。

 また「重要事項を優先する」ことを頭では理解していても、何が重要なのか、つまり「目的は何なのか」が解らないと、何を優先すべきかの判断もできません。つまり第一から第三の習慣は段階的に関連し合っているのです。
 さて、個人が自立した先には人間関係のステージが用意されています。その最初の習慣が第四の習慣「Win−Winを考える」です。自立したもの同士の健全な競争においては、健全なWin−Winが齎されるという考え方です。

 私たちは、日頃様々な人間関係の中で生活しています。職場でも家庭でも地域社会でも・・・。では、その人間関係の状態はどうなっているでしょうか?その人間関係の状態は6つに分類されます。(図参照)

1.Win(自分)−Lose(相手)
特徴:自分の勝ちは、相手を負かすことで得られると考える人です。多くの人がこれまでの成長過程で脚本付けられ、染み付いてしまった考え方です。学生時代の偏差値教育も就職戦線も、更に社会人になってからも、一番を取った人はWin、負けた人はLose、相手を負かすことで自分が勝てる!と言ったパラダイムです。しかし、この関係が繰り返されると、相手は次第に遠ざかっていってしまいます。Win―Loseは比較・競争のパラダイムから生み出されたものです。

2.Lose(自分)−Win(相手)
特徴:自分に自信がなくて相手に服従したり、相手の勝ちを優先してしまう人です。しかし自分が負け続けることで、その状態が次第に耐えられなくなり、いずれは憎悪や復讐の思いを抱きかねません。Lose−Winは自己犠牲のパラダイムとも言えます。

3.Lose(自分)−Lose(相手)
特徴:自分の勝ちを犠牲にしてまでも、とにかく相手の負けを望む人です。この考え方は誰一人として勝ちを手にすることはできません。他人の満足に嫉妬の念を抱くパラダイムです。

4.Win(自分だけ)
他人のことなど関心が無く、相手がどのような状態でも、とにかく自分だけの勝ちを手に入れようとする人です。まさに自己中心的なパラダイムで自分のWinだけを求める人です。

5.Win(自分)−Win(相手)
自分も相手も、お互いに勝ちが得られるように考える人です。この状態は自立した者同士で成立する関係です。そして長期的に良好な人間関係を築くことが出来ます。協力・協働・共栄に基づいたパラダイムです。

6.No−Deal(自分と相手)
お互いのWinをとことん求めてはみたものの、残念ながらお互いに欲しい結果が得られらない場合は、勇気をもってNo―Dealを選択することもあります。 “合意しないことに合意する”という考え方です。決して妥協ではなく、とても次元の高い考え方です。No―Dealを選択した後も良好な人間関係は続き、再び機会が巡ってきた際、Win−Winを考えられる間柄です。成熟した大人のパラダイムです。

 6つの関係を紹介しましたが、自立を遂げてない人は1.〜4.のいずれかで相手と接します。自分に自信を持てないが故に、守りに入ってしまい、堂々と他人に接することができないのです。しかし、1.〜4.のいずれかの関係を繰り返していると、最終的にはLose−Loseに行き着いてしまいます。
 Win−Winが本当に現実的か否か、それは難しい問題です。しかしここで言う第四の習慣「Win−Winを考える」は、まずはWin−Winを考えてみて下さい、そういったメッセージです。

【医薬品企業における実例】
 昨年末、朝刊の一面で・・・、国内大手の製薬メーカー2社が業務提携するという記事を目にしました。私は目を疑いました。えっ?とうとう?日本の医薬品メーカーもそんな時代に突入!?それが正直な感想でした。医薬品市場を取り巻く環境変化に伴い、相互協力してお互いの益を得ようと、競争から協力への道を選択したようです。つまりWin−LoseからWin−Winへパラダイム転換を図ったのです。しかし、ここでも言えることは、自立した企業同士でなら合併や業務提携は実現可能です。そしてお互いの益を手にすることが出来るでしょう。しかし一方が自立に至らない場合には合併話も成立しません。現実に同業界の中では、一旦上がった合併話も数ヵ月後には合併解消の実例もあります。おそらくWin−Win関係を築けないと一方が判断してのことでしょう。

 医薬品業界を取り巻く環境は、まさに変化の嵐が吹き荒れています。他業界に比べて相当激しいようです。私は「7つの習慣」研修の関係で多くの医薬品メーカーさんにお邪魔してますが、、、それはそれは各社様、とっても危機感をお持ちです(特に内資さんは)。これからもますますこの業界はあっと驚くことがやってきそうな、、、気配です。そう言えば、医薬品メーカーが潰れたっていうお話、あんまり耳にしません、でもこれからは、ひょっとしたら・・・( ̄□ ̄;)!!

 さて皆さま、臨床検査技師さんを取り巻く環境変化も激しいのではないでしょうか?まさにパラダイム転換を図る時が、目の前にやってきているのでは?
 こんな時代はWin−Winを考えるという悠長なことは言っていられないかもしれませんが(^_^;)、身近な大切の方とはWin−Winを、まずは考えてみてください。でないと、いずれはお互いの欲しい結果がどちらも手にできなくなるのです。

身近な人との関係は皆さん、前述の1.〜6.のいずれでしょうか?

 上司と部下の関係は?
 関連部署とは?
 そして取引先・仕入先とは?
 さらに、ご夫婦、親子関係は?

Loseというキーワードが浮かんだとしたら・・・、そしてその関係がこの先も続いたとしたら・・・、どうなってしまうでしょうか?

  -------この内容は、フランクリン・コヴィー・ジャパン「7つの習慣」トレーニングプログラムに基づいて表現しています-------


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