設問2

59歳(閉経)、女性。腹痛のため外来を受診した患者尿である。矢印で示す成分を判定してください。
尿定性検査成績:pH6.0 蛋白(−) 糖(−) 潜血(−)

無染色400倍

Sternheimer染色400倍

深層扁平上皮細胞 ギムザ染色400倍

トリコモナス原虫 ギムザ染色400倍
ルゴール染色 400倍
正解:扁平上皮細胞

解説:尿定性所見に異常がなく、外陰部または膣部由来の扁平上皮細胞が考えられる。年齢から閉経期の女性に出現する扁平上皮細胞は、ホルモンの影響により中層型から深層型細胞が主体をなす。この細胞の特徴は、細胞質辺縁構造は丸みを帯び、形は円形、類円形を示し、細胞質は厚く、深層に近づくに従って球状を呈する。また、S染色では細胞質、核ともに染色されにくいこともある。運動停止したトリコモナス原虫で扁平上皮細胞 深層型と類似しているものも見られるが、鑑別は、メイギムザ染色・ルゴール染色を行ない確認されることを推奨する。

順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院 古谷 公英

回答集計 参加施設数 74
扁平上皮細胞(深層型) 48(64.9%)
トリコモナス原虫 17(23.0%)
白血球 4( 5.4%)
細胞質内封入体細胞 2( 2.7%)
その他 3( 4.1%)
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