設問7

20才、男性。下痢のため内科に受診。 排便時に白いひも状のものが自然排泄された。
東南アジア旅行の渡航歴あり、矢印で示す成分を判定してください。

無染色400倍

成虫

片節圧平標本
正解:広節裂頭条虫卵 日本海裂頭条虫卵 (裂頭条虫卵)

解説:大きさは長径60-70μm、短径40-50μm、淡褐色で小蓋、尾端に小突起があり、卵内容は、1個の卵細胞と多数の卵黄細胞である。成虫の体長は5-10mになり真田紐状を呈する。
<ライフサイクル>
虫卵(コラシジウム)→第1中間宿主ケンミジンコに摂取(プロセルコイド)       
 ↑                          ↓
 ヒト摂取 小腸寄生←第2中間宿主サケ・マス(プレロセルコイド)

検査法は、MGL法やAMSV法が適している。
本症例は、プラジカンテル(商品名ビルトリシド)を服用後、約2.5mの虫体を駆虫した。
Diphyllobothrium latum 広節裂頭条虫卵は北欧・カナダ・アラスカ・チリ・日本に広く分布している。1986年 山根らは日本で感染するのはD.nihonkaiene 日本海裂頭条虫卵であるとしたが、両者を鑑別するのは困難であるため両者とも正解とした。

千葉大学医学部附属病院 伊瀬 恵子

回答集計 参加施設数 75
広節裂頭条虫卵 57(76.0%)
日本海裂頭条虫卵 4(5.3%)
裂頭条虫卵 2(2.7%)
擬葉類条虫卵 1(3.9%)
鉤虫卵 4(5.3%)
マンソン裂頭条虫卵 2(2.7%)
その他 5(6.7%)
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