設問 2

社団法人千葉県臨床検査技師会 一般検査研究班

18歳、 女性。 排尿痛と残尿感を主訴に泌尿器科受診時の患者尿である。
矢印で示す成分を判定して下さい。

定性検査成績:pH7.5 蛋白(1+) 糖(−) 潜血(2+) 亜硝酸塩(+) 白血球(2+)

無染色 400倍 Sternheimer染色 400倍

正解:細胞質内封入体細胞

解説:本症例は急性膀胱炎患者の尿沈渣像で、多くの白血球、細菌を背景に大型の細胞質内封入体が散在的に出現している。
細胞質内封入体の出現基序は、膀胱炎のように膀胱粘膜が刺激され非特異的な細胞変性として出現する場合や各種のRNAウィルス感染で出現する。
細胞特徴は、大きさ 15〜100μmで円形・類円形・不定形・多辺形を示し細胞質内には円形、類円形、ド-ナツ形、馬蹄形など多彩な形を示す封入体を認める。
無染色における封入体の色調は細胞質と同系色で濃く、光沢を有し、
S染色における封入体の染色性は細胞質と同系色で濃く染まる。
   

解答集計

(参加93施設)

施設数

細胞質内封入体細胞

67

72.0

大食細胞(マクロファージ含む)

18

19.4

核内封入体細胞

3

3.2

組織球

1

1.1

尿細管上皮細胞

1

1.1

移行上皮細胞

1

1.1

円形上皮細胞

1

1.1

トリコモナス原虫

1

1.1

解説:久代 真也(社会保険船橋中央病院)

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